バレルサウナとは?メリット・デメリットと導入時に知っておきたい注意点
バレルサウナとは、樽を横にしたような形のサウナ小屋のことです。設置しているキャンプ場やホテルなどが増えつつあり、中には自宅に設置してプライベートサウナを楽しみたいという方もいるでしょう。この記事では、バレルサウナ(樽型サウナ)の特徴と、メリット・デメリット、値段、導入時の注意点などを解説します。
バレルサウナとは
バレルとは、樽(barrel)のこと。その言葉通り、樽を横向きにしたような形が特徴で、長い木の板を筒のように組み立てています。
フィンランドの伝統的なサウナ小屋の一つで、現代のサウナ小屋と異なり、断熱材や防湿シートを使わないのが一般的です。サウナ室の温度は低めで、蒸気を発生させて湿度を上げる「湿式サウナ」のため、乾式サウナが苦手な方も利用しやすいでしょう。
アウトドアと相性が良く、バレルサウナを設置しているグランピング施設やリゾートホテルなどが増加しているほか、自宅にプライベートサウナとして設置した著名人もいるなど、多くのサウナ愛好家を惹きつけています。
バレルサウナにおける4つのメリット
実際にバレルサウナにはどのようなメリットがあるのでしょうか。他のサウナと比較して、バレルサウナの主なメリットとして、次の4点が挙げられます。
室内温度が均一になりやすく、温まるのが早い
バレルサウナは筒状で天井が丸いため、サウナ室内で熱が循環しやすく、早く温まるメリットがあります。特にロウリュを行うと、天井に沿って熱と蒸気が降りてくるため、場所による温度差がなく、全身が熱波で包まれているのを感じやすいでしょう。
耐久性が高い
木材は熱や湿度によって膨張と収縮を繰り返すため、留め具が外れたり亀裂が入ったりすることがあります。しかし、バレルサウナは基本的に木製で釘や接着剤を使わずに組み立てられているため、耐久性が高い構造となっています。
加えて、形状が樽型(円筒形)のため外から加わる力に強く、上からの雨や雪、横からの風を自然に受け流す効果も期待できるため、長期間使うことが可能です。
後付けで設置しやすい
温泉施設やホテルの大浴場などに設置されているサウナとは異なり、バレルサウナは後付けで設置しやすいのがメリットの一つ。そのため導入コストや労力を抑えることが可能で、別荘や自宅にホームサウナとして設置することもできます。
最近では、オーダーメイドに対応している国産メーカーや、日本の気候や住宅事情に合わせたコンパクトなバレルサウナも登場しています。好きな景色の場所に置いたり、自宅との動線を考慮した場所に置いたりと、置き場所のアレンジもしやすいでしょう。
木の香りや洗練されたデザインを楽しめる
特徴的なデザインもバレルサウナの魅力の一つで、洗練されたデザインは自宅の空間演出に役立つでしょう。視覚では木目の美しさを味わい、触覚では木の温かみを、嗅覚では天然木の香りを味わえます。そうした五感を使って全身で楽しめるのも、バレルサウナのメリットといえます。
バレルサウナにおける4つのデメリット
バレルサウナは他のサウナと違う構造のため、次のようなデメリットもあります。
外気温の影響を受けやすい
バレルサウナは木材だけで構成されており、断熱材を使用しないのが一般的で、その分外気温の影響を受けやすくなっています。そのため、冬季の寒冷地では「なかなか温度が上がらない」「予熱に時間がかかる」などが予想されます。
「上部に専用カバーをかけて熱の放出を軽減する」「ロウリュを多めに行って湿度を上げる」「冬の利用を見越して大きめのサウナストーブにする」など、温度を上げる対策を検討しておきましょう。
壁の隙間への対策が必要
バレルサウナは風雨を受け流しやすい形状とはいえ、木材を組み立ててつくられているため、どうしても壁に小さな隙間ができてしまいます。そのため隙間風や雨漏りなどの恐れがあり、特に雨漏りは、内部を乾燥させるなどメンテナンスを行わないと木材の腐敗につながり、バレルサウナの寿命が短くなるため、隙間対策は不可欠です。
長く快適に使用するために、使わないときはカバーをかける、屋根を付けるほか、修理保証がある専門業者から購入することもおすすめです。
導入コストが高い
無垢材で構成されているバレルサウナは、サウナ本体のほかに、材料を自宅まで運ぶ配送費用や隙間なく組み立てる設置費用などもかかるため、導入にはコストがかかります。
輸入キットやDIYにより自作すればコストダウンは可能ですが、専用の工具や木工技術が必要で、組み立てる時間や労力も考えると、一概にコストパフォーマンスが良いとはいえません。自分で組み立てるとしても、電気工事は資格を持った専門業者に依頼する必要があるほか、サウナを安全に使用するためにも、設置はプロに依頼したほうが安心です。
設置場所に十分な広さと土台が不可欠
小型サイズでも土台が必要なため、サウナ本体よりも広いスペースが不可欠です。また、重量があることから、コンクリートや鉄筋などで基礎をつくらなければならない場合もあります。加えて、自宅の敷地内ならどこにでも置けるというわけではなく、プライバシーに配慮する、近くに燃えやすいものがない場所にすることも大切です。
場所によっては、ユニック車(クレーンが付いたトラック)が通れない、クレーンが使えないなどの恐れもあるため、搬入経路の道幅や電線の位置なども確認してから購入しましょう。
バレルサウナの値段や維持費
バレルサウナの価格は、サイズやメーカーなどで異なり、約100〜300万円と幅があります。本体のほかに、配送費用・設置費用・工事費用などのほか、ストーブ本体やカバーなどのオプション代も別途必要です。サウナ本体のサイズや設置するエリアなどによって変動がありますが、導入には合計200〜500万円ほどかかるでしょう。
ただし、値段に設置費用が入っている、ストーブがセットなっているなど、販売価格にサウナ本体以外のものが含まれていることがあります。値段だけで単純に比較することは困難で、安価なものは配送費用が含まれていない場合があるため、本体以外の部分をよく確かめることが大切です。
導入後の維持費は、ストーブの種類や大きさなどで変わってきますが、1時間あたり100〜150円ほどとなっています。加えて、使用時の基本的な掃除のほかに木材部分の経年変化を防ぐための定期的なメンテナンスや、ストーブの部品交換などもあるため、サウナを使用することで発生するコストも調べておきましょう。
バレルサウナ導入時に知っておきたい注意点

自宅にバレルサウナを設置する場合の、主な注意点を3つ紹介します。
相見積もりで比較検討をする
バレルサウナは、メーカーや販売代理店などから購入できますが、それぞれ商品の特徴やサービス内容などが異なります。複数社に見積もり依頼して、比較検討のうえで選ぶことをおすすめします。
最近は、国産材を使用したバレルサウナも人気です。日本の気候に合う仕様で、耐久性に優れた国産のヒノキ材やスギ材でつくられていることが多く、ヒノキ風呂のような木の香りや肌触りを楽しむことができます。購入後のアフターサービスが充実しているメーカーもあるので、長く使うためのメンテナンス費用も含めて検討するとよいでしょう。
設置場所や利用目的に適しているか確認する
サウナの設置は、火災予防条例や建築基準法などの法規制をクリアしている必要があり、確認漏れや申請漏れは違法建築となる恐れがあるため、導入前の確認が重要です。
設置場所の用途地域
設置場所が「防火地域」「準防火地域」の場合は、火災予防の観点から、木製サウナの設置が規制されていることがあるため、都市計画法でどのような地域に指定されているのか確認しましょう。
サウナの設備については、消防法関係の法令に基づく各市町村の条例により判断されます。火災予防条例は市町村によって異なるため、設置の可否は自己判断せず、必ず管轄の消防署へご相談ください。
事前申請の有無
地域やサウナの床面積によっては、家庭用サウナでも「建築確認申請」が必要になることがあります。サウナの図面やストーブなど設備の書類を提出することになりますが、手続き方法は自治体によって異なり、建築確認が不要なケースもあるため、自治体の窓口へ問い合わせてみましょう。
マンションなど集合住宅や賃貸住宅の場合は、管理会社の事前承認が必要な場合や、熱源を限定している物件もあるため、管理会社に連絡することも重要です。
サウナ施設として設置する場合
サウナ施設は、公衆浴場法における「その他の公衆浴場(特殊浴場)」に該当するため、営利目的でバレルサウナを設置する場合は、保健所の営業許可が必要です。
また、不特定多数の人が利用することから、建築基準法の「特殊建築物」でもあるため、内装の制限や避難経路など、基準を満たす構造であることも求められます。ただし建築基準は地域によって異なるため、設置場所の自治体へご確認ください。
適切なメンテナンス方法を把握する
基本的な掃除や室内乾燥などのほかに、定期メンテナンスが欠かせません。バレルサウナは木材のみでつくられているため、劣化を防ぐオイル塗布や外壁塗装などが重要です。点検を行い、木材の損傷や劣化などがあれば必要に応じて部品交換や修理を行うことも、長くサウナを楽しむためのポイントです。
あわせてストーブの手入れとして、電気ストーブの場合はヒーターの動作や、スイッチやコードなどに異常がないか確認し、薪ストーブは煙突掃除や灰の片付けなどを行います。サウナストーンの損傷も確認して、亀裂が入っているものや変色しているものなどは、交換しましょう。
バレルサウナのメリット・デメリットを知ったうえで設置を検討しよう
バレルサウナには、他のタイプとは異なるメリット・デメリットがあります。購入前に、設置要件やメンテナンス方法などを確認すると同時に、施設を利用してバレルサウナのサイズや使い勝手などを体験してみるのもおすすめです。置くだけですぐ使える国産ユニットや海外輸入のキットなど、さまざまなバレルサウナの中から最適なものを選べると良いですね。
