自宅サウナにかかる費用相場は?維持費や導入時の比較ポイントも解説

自宅サウナにかかる費用相場は?維持費や導入時の比較ポイントも解説

自宅へのサウナ設置を検討する際、最も気がかりなのは費用面でしょう。家庭用サウナにはさまざまな種類があり、住宅環境や予算などに適したものを選ぶことで、自宅でのサウナ生活を実現できます。この記事では、自宅サウナの導入方法と費用相場、メリットとデメリット、サウナを比較検討する際のポイントなどを解説します。

自宅サウナの種類と費用相場

まず、自宅サウナ(家庭用サウナ、ホームサウナ)の種類と相場を一覧にまとめました。設置する環境や自身のライフスタイルなどに合わせたサウナを選ぶことで、自宅でも快適なサウナを楽しむことができます。

自宅サウナは、大きく分けて屋内型と屋外型があります。

<屋内型>

  • サウナ傘:2千円程度
  • 家庭用サウナボックス:2万円~
  • 据え置き:40~100万円
  • 埋め込み:200万円~

<屋外型>

  • サウナテント:10~50万円
  • バレルサウナ、サウナ小屋:100万円~(サイズや設備などによる)
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屋内サウナの費用相場

屋内型の自宅サウナは、浴室で簡単にできるものから、住宅(母屋)の工事が必要なものまで、さまざまな種類があります。それぞれの相場は、以下のとおりです。

サウナ傘:2千円~

サウナ傘とは、通常の傘と違い逆さに開くような形状をした、浴室で手軽にサウナを楽しめるアイテムです。おおむね2千円前後で準備できます。お湯を張った浴槽にかぶせるように設置して、自分が傘の内側に入ることで、スチームサウナのような体験が可能。湯けむり(蒸気)を利用するため、薪代や電気代もかかりません。

ホームセンターや通信販売などで購入できますが、浴槽の大きさによっては使用できないため、購入前に浴槽のサイズを確認しておきましょう。

家庭用サウナボックス:2万円~

2万円ほどで準備できる、組み立て式の簡易的なスチームサウナが「家庭用サウナボックス」です。コンパクトで電源さえあれば設置できるため、メーカーによっては「ポータブルサウナ」と呼ぶこともあります。

専用スチーマーによる水蒸気がボックス内の温度を上げる仕組みで、特に高い安全性が必要な「特定電気用品」に分類されているため、購入する際はPSEマークがあるものを選びましょう。

火器を使わず火災の心配が少ない反面、ボックスを置いた部屋やその近くの室温が高くなってしまうのが難点です。

参考:経済産業省『特定電気用品(116品目)一覧

据え置きタイプ:40万円~100万円

据え置きタイプも置くだけで使用可能なサウナで、上述のサウナボックスよりも大きく、多くは木製です。約40〜100万円ほどで設置できます。マンションや賃貸住宅などでも設置を検討できるほか、転居の際に解体して新居へ移設することもできます。価格は熱源の種類やサイズ(入れる人数)によって異なりますが、1人用は小型エレベーター程度の大きさで、価格も比較的手頃です。

基本的に組み立てるだけで設置工事は不要ですが、場所によっては床の補強・電気の配線・壁の断熱など工事が必要となる場合があります。サウナの熱が漏れて周囲の室温が高くなる場合があるため、設置場所はよく検討しましょう。

埋め込みタイプ:200万円~

埋め込みタイプ(ビルトインタイプ)は、家の新築や増築・改築などのタイミングで、家屋に埋め込む工事により設置するサウナのこと。費用相場は200万円〜と高額ですが、質の高い自宅サウナを実現できます。

サウナ本体の設置に併せて、水風呂や外気浴のためのスペースをつくるなどして、動線も考慮したサウナの環境を整えやすいのがメリットです。

ただしサウナ本体価格に加えて工事費用がかかるため、他のサウナよりも初期費用は高くなります。条件によっては住宅ローンに組み込める場合があるため、検討の際は事前にハウスメーカーや金融機関へご相談ください。

屋外サウナの費用相場

屋外サウナは、開放感のあるサウナをつくりたい方や、自然の中でサウナを楽しみたい方におすすめ。種類は、簡易的なテントから専用のサウナ小屋まで幅広く、広さや予算などの条件に合わせて選べます。

テントタイプ:10万円~50万円

テントタイプ(サウナテント)は、テントの性能や付属品などによって10万円〜50万円と価格に差があります。低価格のものはサウナ単体でストーブが付いていないこともあるため、付属品はよく確認しましょう。

テントは畳んで持ち運びできるため、自宅の庭のほかベランダや屋上などでも使用可能で、キャンプ場やアウトドアレジャーにも持っていき、好きな場所に設営できるのがメリット。

その反面、使うたびに設営と撤収を行うため、手間がかかるのが難点です。特に薪ストーブを使用する場合は、テントの設営に加えて薪ストーブの組み立ても行うほか、火入れや使用後の冷却などの時間も必要で、スケジュールに余裕をもって行うことが大切です。

またテントの耐久性は低く数年で買い替えることになるため、長期の使用には向いていないのもデメリットです。

バレルサウナ、サウナ小屋:100~300万円

バレルサウナとサウナ小屋は、同じ大きさでも材質によって価格が異なり、100〜300万円と幅があります。海外からの輸入キットか国産材使用かによっても違いがあり、サウナ本体のほかに設置費用がかかることもあるため、運搬費や工事費なども含めて検討しましょう。

バレルサウナとサウナ小屋の多くは木製で、ロウリュが可能なストーブを使用すれば、北欧のような本格的なサウナを楽しめるのが魅力です。その一方で、風雨による劣化や腐食を防ぐために、塗装など定期的なメンテナンスも必要になります。

自宅サウナにかかる初期費用以外のコスト

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自宅サウナは、初期費用のほか、使用・維持するためのコストも考えて導入することが大切です。設置するサウナの種類や使用状況にもよりますが、ここでは、自宅サウナの初期費用以外にかかる主なコストについて紹介します。

維持・メンテナンス費

サウナの種類によって差がありますが、自宅サウナの耐用年数はメンテナンスを施していることを前提としており、怠った場合は劣化が早く進むため、適切な管理が不可欠です。

例えば、バレルサウナや小屋サウナのようなタイプは、定期的に屋根や外壁の塗装が必要で、2〜3年ごとにペンキ代や刷毛代が必要となります。

また、サウナストーブ本体の耐用年数は、家電製品と同様で10年程度です。故障しても部品交換などで修理できればよいのですが、買い替えとなると数万円~数十万円の費用負担となるほか、サウナストーンや電気ストーブのヒーターは定期的な交換が欠かせません。薪ストーブで、ストーブ本体や煙突の掃除を専門業者に依頼する場合は、作業代がかかります。

電気代や薪代

サウナストーブの熱源使用にかかる電気代や薪代も意識する必要があります。

電気ストーブの場合、電気代はストーブの出力やサウナの大きさなどで変わりますが、1時間あたり150円前後が目安です。1日2時間、週2~3回サウナを使うと仮定すると、1ヶ月2,000〜3,500円ほどです(電力会社によって異なる)。

薪ストーブの場合は、1時間あたり1〜2kgの薪が必要とされています。価格は針葉樹と広葉樹で異なり、直売所・ホームセンター・通信販売など購入先によっても差がありますが、一束300〜1,000円ほどが目安となります。薪にする木が無料で手に入れば薪代は0円ですが、薪割り機(キンドリングクラッカー)や斧など専用の道具と、乾燥させる時間が必要になります。

【関連記事】薪はどこで買う?販売店一覧と安く手に入れる方法。薪の種類や特徴も解説

自宅サウナを設置するメリット・デメリット

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自宅にサウナを設置することについて、どのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。

メリット

主なメリットとしては、次の3つが挙げられます。

  • いつでも好きなタイミングで利用できる
  • 温度設定やロウリュなどを好みに設定できる
  • 夜や週末でも混雑しない
  • 家族や仲間と一緒に楽しめる

施設のサウナは営業時間内しか利用できず、行く・帰るための移動時間も必要ですが、自宅であればいつでもサウナに入れます。他の利用者がいないため混雑はなく、サウナの温度や照明の明るさなどを好みに設定し、気兼ねなく水風呂や外気浴ができるのも自宅サウナのメリットです。一般的な温浴施設のように男性と女性で分かれる必要がないため、家族や仲間と一緒に入れるのも、自宅サウナならではでしょう。

デメリット

自宅サウナにはデメリットもあるため、メリットとデメリットの両方を理解して、自宅サウナの設置を検討しましょう。デメリットとして、以下のようなことが挙げられます。

  • コストがかかる
  • 設置のためのスペースが必要
  • 準備・片づけ・メンテナンスが不可欠

自宅にサウナを設置するには、サウナ本体の購入のほかに、設置や電気などの工事、ストーブの設置、使用する薪や電気代などのコストもかかります。

サウナボックスやテントサウナであれば広いスペースがなくても設置できますが、バレルサウナや大きめのサウナ小屋、屋内の据え置き型サウナなどは、設置できるだけのスペースを確保する必要があり、整地が必要な場合もあります。

サウナの種類による違いはありますが、いずれの自宅サウナも準備と片づけ、メンテナンスを自身で行うという点は、施設のサウナにはないデメリットといえます。

自宅用サウナ導入時の比較ポイント

自宅用サウナにはさまざまな種類があり、特徴や価格が大きく異なるため、以下のポイントに注意しながら比較検討してみましょう。

  • 導入時の希望と住宅環境
  • トータルコスト
  • メンテナンスの方法や頻度

導入時の希望と住宅環境

自身はどのようなサウナを設置したいのかを明確にして、イメージと住宅環境に合うサウナを選びましょう。例えば、屋内型と屋外型、乾式サウナと湿式サウナ、高温と低温、ロウリュの有無などについて、じっくり考えてみましょう。

予算内で選ぶことも大切ですが、満足度が低いと使わなくなることもあるため、自分の希望を明確にした上で、自宅の環境にも配慮したサウナを選ぶことが大切です。なるべくショールームで実物をチェックして、納得した上で購入することをおすすめします。

トータルコスト

自宅サウナの導入は、初期費用のほかに、メンテナンスにかかるコストも含めて考える必要があります。例えば、サウナストーブの耐用年数は約10年で、サウナストーンとヒーター(エレメント)は2〜3年ごとの買い替えが必要です。

自宅のサウナを何年利用するのか考えて、買い替えやメンテナンスなど維持管理にかかる費用や、使用時の電気代など、サウナにかかるトータルコストを確認しておくとよいでしょう。

メンテナンスの方法や頻度

使用の都度行うメンテナンス(片づけ)のほかに、定期的に必要なメンテナンスがあるため、メンテナンスのしやすさも重要です。例えば、中性洗剤を使って水拭きする、スノコやベンチを天日干しする、サウナストーンに割れがないかチェックする、サウナストーブを掃除するなどです。

特に木材を使用しているサウナは、使用しない期間が長くなり乾燥状態が続くと、割れ・ヒビ・反りが発生する恐れがあるため、長くサウナを使うためにもきちんとしたメンテナンスが重要です。

適切な管理が難しいと、自宅のサウナを使わなくなる、カビや故障が発生して使えなくなるなど、設置を後悔することになるかもしれません。使わなくても簡単に撤去できるとは限らないため、設置後の定期メンテナンスや補修なども相談できる、アフターフォローを行っている業者から購入するとよりよいでしょう。

自宅サウナにかかる費用を把握し、希望に合った方法で導入しよう

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自宅サウナは屋内型と屋外型があり、それぞれサイズや価格など多岐にわたります。本体の価格だけで選んでしまうと、思ったよりも電気代がかかる、準備や手入れが大変などの理由から、せっかく設置しても使わなくなるかもしれません。自宅サウナ設置でかかる費用を把握して、さまざまな視点で比較検討して、自身の希望と予算のバランスがよいサウナを選びましょう。