バレルサウナの導入価格や維持費はいくら?本体や設置にかかる費用を解説

バレルサウナの導入価格や維持費はいくら?本体や設置にかかる費用を解説

文字通り樽のような、特徴的なデザインで人気のバレルサウナ。自宅への設置を検討中の方の中には、値段やランニングコストが気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、バレルサウナの概要と、本体や設置にかかる諸費用、維持費などを解説します。購入する際にチェックしたいポイントも紹介しますので、バレルサウナを検討する際の参考にしてみてください。

バレルサウナとは

バレルサウナとは、樽(barrel)を横に倒したような形状のサウナ小屋です。フィンランドの伝統的なサウナの一つで、木材を円形に組んだ独特の形状はデザイン性が高いだけでなく熱がサウナ室の中を均一に巡る効果もあり、薪ストーブを使用したロウリュなど本格的なサウナを楽しめます。

サウナ室の温度は60〜80℃程度と低めで、熱したサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させて湿度と体感温度を上げる「湿式サウナ」のため、肌の乾燥や息苦しさを感じにくく、高温の乾式サウナが苦手な方も親しみやすいでしょう。

近年のサウナブームで、バレルサウナを設置しているグランピング施設やリゾートホテルなどが増えているほか、サウナ愛好家で知られる著名人がプライベートサウナとして購入したことでも話題になっている、注目のサウナです。

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バレルサウナの価格

バレルサウナ本体と、その他に必要な費用を合計すると、200~500万円かかるといわれています。サウナ本体の価格は大きさや材質などで異なり、そのほかにストーブや電気工事などの費用もあるため、まずは、サウナ本体の価格と、その他にかかるものを見ていきましょう。

バレルサウナ本体にかかる費用

バレルサウナ本体は、海外からの輸入品は100万円〜、国産のものは180〜200万円ほどとなっています。ただし、ストーブが付いている場合や、配送費用が別途必要になるなど、販売価格のみで比較するのは困難です。

国産バレルサウナの場合は、2〜4人で利用する小型のものは、120~140万円程度が一般的です。4~6人の中型サイズでは150〜180万円程度、国産ヒノキ材を使用したものでは350〜400万円という場合もあり、大きさ(利用人数)や材質によって変動します。

輸入品のほうが安価ではありますが、それでも国産サウナが好まれる理由として考えられるのは、国産ならではの豊かな木の香りや肌触り、耐久性の高さ、充実したアフターサービスなどです。使用される代表的な樹種はスギやヒノキで、木の香りと肌触りが心地よく、旅館の「ヒノキ風呂」のような上質なサウナを楽しめます。

日本の気候や住環境に合わせてつくられているため、コンパクトで耐久性が高く、国内で部品調達が可能でメンテナンスも安心です。輸入品のように「納期が読めず設置のスケジュールを調整しにくい」「修理用の部品を届けてもらうにも多額のコストがかかる」という心配がないのも、国産サウナの魅力でしょう。

ストーブ代

サウナ用のストーブは、本体とは別に購入するのが一般的です。熱源は、薪・ペレット・ガス・電気があり、バレルサウナでは薪ストーブまたは電気ストーブ(サウナヒーター)が主流です。ストーブ本体は、薪ストーブは20万円程度から販売されており、電気ストーブは30〜60万円程度です。なお、サウナ用の電気ストーブは電気用品安全法の対象であるため、日本の規格を満たした「PSEマーク」が付いているものを選びましょう(※電気を使用しない薪ストーブはPSEの対象外です)。

いずれの熱源も、小さいとサウナ室内の温度がなかなか上がらず、逆に大きいと熱くなり過ぎて事故につながる危険もあるため、価格ではなくサウナのサイズに適したものを選ぶことが重要です。

設置費用

バレルサウナは、DIY(セルフビルド)で設置・組み立てを行う方もいるため、ほとんどの場合、本体価格とは別に設置費用がかかります。価格はサウナのサイズや設置場所の状態、施工業者でも異なりますが、2〜3人用のサイズで20万円程度となり、6人用以上の大型サイズでは50万円以上かかることもあります。

工事費用

コンクリートの基礎工事や、水風呂のための給水と排水、電気の配線など、サウナに付随するさまざまな工事が必要です。電気ストーブは200V電源が一般的で、施工業者にもよりますが、ブレーカーの増設やサウナへの配線などで15万円以上の工事費用が発生します(薪ストーブの場合でも、照明をつけるなら電気工事があります)。

工事費用は、設置する場所やサウナのサイズなどで変わってくるため、必ず複数の業者から見積もりを取って、比較検討しましょう。

オプション代

購入するメーカーや販売代理店などによっては、バレルサウナのオプションを用意していることがあります。金額は業者によって異なりますが、主なオプションとして次のものが挙げられます。

オプション価格       
窓のカスタマイズ(ハーフ窓、天窓、パノラマ窓など)5万円~
屋根材設置5万円~
木材の変更5万円~
塗装5万円~
LED照明10万円~
サウナ用音響10万円~
休憩・着替えスペース増設10万円~
サーモウッド加工10万円~

業者によって用意しているオプションは異なるので、希望するオプションがある場合は、事前によく確認しましょう。

バレルサウナの維持費

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バレルサウナの購入時だけでなく、使用を開始してから発生する費用も気になるところです。考えられる主なものは以下の2つで、維持費としてあらかじめ準備しておきましょう。

燃料代

熱源やサウナの使用頻度で変わってきますが、ストーブの燃料代がかかります。

サウナストーブ燃料代の比較例

薪ストーブ電気ストーブガスヒーター
特徴1時間に約1~2kg必要200V電源が一般的都市ガスまたはプロパンを連結して使用、家庭用の100V電源で対応可能
1時間あたりのコスト   約300円(1kg)約120~150円約175円
メリット電気よりも火力が高い。炎を見ながらサウナを楽しめるので特別感がある。本格的なロウリュを楽しめる操作が簡単。煙突が不要でメンテナンスしやすい。火を使わないので安全薪よりもメンテナンスしやすい。電気よりも高出力。パネルで温度制御が可能

※ストーブの大きさや電力会社などによって変動があります

メンテナンス代

バレルサウナの耐用年数は、きちんと手入れしていることが前提で、長く使っていくにはメンテナンスが重要です。湿式のバレルサウナは汗や湿気で内部が濡れるため、カビや黒ずみが発生しやすく、定期的な清掃と通気が欠かせません。清掃用具や洗剤などの費用がかかりますが、タオルやマットを敷くことで汚れを軽減できるので、費用だけでなく自分が手入れをしやすい方法や道具を選びましょう。

また、屋外に設置するため風雨や直射日光にさらされることから、木材の経年変化を防ぐために、定期的な塗装も必要です。ただし塗料やワックスなどは、揮発成分が人材に影響を及ぼすものもあるため、必ずサウナ用のものを選びましょう。木材のひび割れなどのトラブルは、メーカーのアフターサービスや、地域の工務店に修理を依頼できる場合もあります。

サウナ本体だけでなくヒーターや電気系統の点検も必要ですが、安全な使用に関わるため、費用はかかっても専門業者に依頼する方が賢明です。長く使用していればサウナストーブの修理や買い替えが必要になってくるほか、サウナストーンなど消耗品にかかる費用も調べておくとよいでしょう。

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導入時に価格と合わせてチェックしたいポイント

バレルサウナを導入する際は、価格と合わせてチェックしたいポイントがあります。主なチェックポイントは、次の2点です。

本体のセット内容とオプション設備

本体とセットになっているものや、オプションとして別途購入が必要な設備を確認しましょう。同じように見えるバレルサウナでも、組み立てキットと完成品があり、メーカーやブランドによっても本体価格に含まれる内容が異なります。

本体は安価でも必要な設備は別途購入しなければならないケースでは、オプション費用がかさんで、結果的に他社製品よりも高くなってしまうことも考えられます。例えば、サウナストーブが別途必要な場合は、薪や電気など熱源の違いや、薪ストーブを設置するなら煙突をつくる工事が必要になるなど、オプション設備によって費用が違ってきます。

サウナストーブは、サウナ愛好家の方にとってこだわりたいポイントの一つでしょう。購入を検討しているバレルサウナにはストーブが付いているのか、種類を選べるのかなどを確認しておくと、理想のサウナを実現しやすくなるでしょう。

設置場所・目的に応じたサポート体制

事業用サウナとして購入する場合は保健所の許可が必要で、消防法や火災予防条例・建築基準法・公衆浴場法(宿泊施設の場合は旅館業法)など、各種関連法規を遵守することが重要です。自宅サウナとして設置する場合でも、消防法や建築基準法などの要件を満たしておく必要があり、違法建築とならないように、事前に設置条件をよく確認しておきましょう。

バレルサウナを「建築物」として扱うかどうかは自治体によって異なり、設置には高い技術力や経験だけでなく、法律の知識も必要です。メーカーや販売店によっては、申請のサポートを行っている場合があるので、価格だけで比較検討せず、信頼できるところから購入することをおすすめします。

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バレルサウナの導入時は価格や維持費を考慮しよう

バレルサウナの導入は、販売価格だけでなく維持費も含めて検討することが大切です。本体以外に含まれる設備は何か、別途必要なオプションの価格はどのぐらいか、ストーブは何を選ぶのかなどで違ってくるため、単純に販売価格だけで選ばないことが大切です。初期費用だけでなくランニングコストも考慮して、長く楽しめるバレルサウナを導入できるといいですね。