サウナストーブと家庭用薪ストーブの違いとは?電気・ガスストーブの特徴も解説
サウナの熱源として不可欠なサウナストーブ。そもそも家庭用の薪ストーブとサウナストーブではどのような違いがあるのでしょうか。この記事では、サウナストーブと家庭用薪ストーブの違いや、熱源別のサウナストーブの特徴をご紹介します。選び方のポイントも解説しますので、自社に最適なサウナを選ぶ際の参考にしてください。
Contents
薪サウナストーブと家庭用薪ストーブの違いとは?
まずは、薪サウナストーブと家庭用薪ストーブにはどのような違いがあるのか、次の表で比較してみましょう。
薪サウナストーブ | 家庭用薪ストーブ | |
用途 | サウナ室内を短時間で高温にする装置 | 室内をあたたかく保つ暖房設備 |
設計 | 薪を燃やして温度調節を行う設計。水をかけて熱い蒸気を発生させるロウリュができる | 気密性の高い本体の中で空気を調整し、薪を長時間燃やし均一に室内をあたためる設計。ロウリュはできない |
耐久性 | 低い | 高い |
熱の強さ | 強い | 優しく心地よいあたたかさ |
燃費 | 悪い | よい |
使用時間・頻度 | 短時間。頻度は少ない | 長時間。頻度は多い |
薪サウナストーブと家庭用薪ストーブは用途が違うことで、「耐久性」「熱の強さ」「燃費」などすべてにおいて異なる特徴があります。
サウナ用薪ストーブは、短時間かつ少ない使用頻度ではありますが、サウナ室内の高温を維持することに特化した設計です。そのため、強い火力を保つために15分に一度は薪の補充が必要となり、一般的な耐久年数は10年程度といわれています。
一方で、家庭用薪ストーブは、使用頻度が多いため、耐久性が高く丈夫に作られているのが特徴です。室内を優しく暖める火力を保ち、長時間使用しても薪の使用量が少なく燃費もよいとされています。
このように、サウナ用薪ストーブと家庭用薪ストーブでは使用用途に応じた違いがあるため、サウナで薪ストーブを活用する際には、サウナ用ストーブを使用することが重要です。
サウナストーブの種類とそれぞれの特徴
サウナストーブの熱源には、主に以下のような3つの種類があります。
●薪ストーブ
●電気ストーブ
●ガスストーブ
それぞれの特徴をメリット・デメリットに分けて解説します。
薪ストーブ
サウナ用薪ストーブとは、薪を焚いてサウナ室を加熱するタイプのストーブです。サウナストーブの中で最も伝統的なものとなり、サウナの本場フィンランドや北欧の国々では人気があります。薪ストーブは煙が出ることから、サウナ小屋やバレルサウナ、テントサウナなど屋外で使用されます。
薪ストーブのメリット
・火力が強く、サウナ室を高温にできる ・薪の燃える音や炎、香りなど特有の楽しみがある ・電気交換工事や配線工事が不要なため、初期費用が安い
薪ストーブは火力の強さが特徴的で、100℃を超えるサウナ室も簡単にできます。薪を燃やすため、「揺らめく炎・パチパチと燃える音・薪の香り」などを楽しめることで、リラックス効果が期待できるのも、満足度を高めるポイントです。
また、薪サウナストーブの本体価格は、ほかのサウナストーブと比べると安く手に入る傾向にあります。電気交換や配線工事なども不要なため、初期費用が安くできるでしょう。
そのため、屋外で本格的にテントサウナやバレルサウナを楽しみたい方におすすめの熱源とされています。
薪ストーブのデメリット
・利用場所が限られる ・煙突の設置など、安全面への注意が必要 ・準備に時間がかかり、火加減の調整が難しい ・燃料となる薪代が高い
火を直接扱う薪ストーブは、火起こしや火の調節、薪の管理、調達など使用に手間がかかります。さらに、安全性を確保するため、消防法などの法律に則り、排煙設備の設置や使用環境に制限がかかるのも難点です。
サウナとして高温を出すためには薪の消費量が多く、その分ランニングコストがかかることも念頭に入れておく必要があるでしょう。
関連記事:「バレルサウナ 建築基準法・消防法」
電気ストーブ
電気式サウナストーブとは、電気を使ってサウナ室を加熱するタイプのストーブです。火を必要とせず、屋外・屋内問わずどこでも手軽に使用できるため、家庭用サウナを含め最も活用されているサウナストーブといわれています。
電気ストーブのメリット
・煙突必要なく、屋内にも設置できる ・煙や一酸化炭素が発生しない ・初心者でも扱いやすい ・燃料となる電気代が比較的安い
電気ストーブは、電気を使用するため、スイッチ一つで電源が入り、機種によっては温度も1℃単位で調節できるなど、初心者でも扱いやすく安全性の高さが特徴です。煙が発生せず煙突も不要なので、コンセントさえあればどこでも活用できるでしょう。
また、燃料となる電気代はランニングコストも安く、手間をかけずに手軽に楽しみたい方におすすめの熱源といえます。
電気ストーブのデメリット
・電気交換や配線工事が必要で、初期費用が高い ・サウナが温まるまで時間がかかり、温度が低い場合がある ・PSEマークなどを確認し、安全性をチェックすることが大切となる
電気サウナストーブ導入時は、200Vの電源が必要なため、電気交換や配線工事に費用がかかります。電気サウナストーブの本体価格も、ほかのサウナストーブに比べ高額なため、導入までの初期費用が高くなることを念頭に入れておく必要があるでしょう。
また、火力も薪やガスと比べると、電気ストーブは弱く高温になりにくいというデメリットがあります。「高温のサウナが好み」「サウナ室が広い」といった場合には、電気ストーブは不向きかもしれません。
ガスストーブ
ガス式サウナストーブとは、ガスを使いサウナ室をあたためるタイプのストーブです。都市ガスやプロパンガスが使用できる環境であれば手軽に設置可能でしょう。サウナ施設や宿泊施設、銭湯のように長い時間サウナを稼働する場所に適している熱源といえます。
ガスストーブのメリット
・都市ガスやプロパンガスが使用できれば設置可能 ・立ち上がりが早く広い空間を短時間で温められる ・メンテナンスが手軽・薪よりも燃料費が抑えられる ・オーバーヒートしにくい
ガス式のサウナストーブは、都市ガスやプロパンガスの設備があれば設置でき、火力も電気よりも強いため、短時間で広い範囲を加熱できるという特徴があります。スイッチを入れれば予熱ができ、メンテナンスも少なく済むため、手軽に導入しやすいでしょう。
またオーバーヒートといった故障のリスクも低く、薪よりも燃料費が抑えられるためランニングコストも安くできます。
ガスストーブのデメリット
・設置が難しい ・外気温が低い場合は熱損失を起こす ・ガス設備のない場所では使用できない ・機種のなかには、電源とガスの両方を使うものがある
ガス式サウナストーブの設置には、ガス管の接続など専門知識が必要となり、設置が安易にできません。また、都市ガスがない場所では設置できなかったり、ガス会社への手配が必要になったりと設置前に導入できるかの確認が不可欠です。
また、ガスは外気を用いて燃焼する仕組みのため、外気温が低いと熱損失が起こって温まりにくかったり、温度維持に燃費を必要以上に消費したりする懸念もあります。
サウナストーブを選ぶ際のポイント
サウナストーブには種類が複数あり、どの熱源を選べばよいか悩む方もいるかもしれません。ここでは、サウナストーブを選ぶ際のポイントをご紹介します。
設置環境と燃料の確保
サウナ用ストーブを選ぶ際は、設置環境の条件と燃料の確保に対する検討が不可欠です。熱源に応じた設置場所・燃料確保の条件を確認したい場合は、以下のようなポイントを中心にチェックしましょう。
薪ストーブ | 薪を継続的に調達できるか・設置場所が屋内や都市部ではなく、薪ストーブを使用できる環境か |
電気ストーブ | 200Vの電源を確保できるか・設置場所の契約する電力量に余裕があるか、または変更ができるか |
ガスストーブ | プロパンまたは都市ガスが使用できる場所か・設置場所は屋外など外気温の影響を受けやすい環境か |
ただし、上記に挙げたチェック項目は一例です。特に薪ストーブは、安全に使用するために消防法や建築基準法、自治体の条例などの確認が必要となります。導入したい製品においても、必要な設備が異なるため、細かな設置条件を確認してから導入機種を選定することがおすすめです。
設置場所を想定して、どの種類・製品のストーブを設置できるのかある程度絞り込めたら、設置予算と設置時の工事の手間を考慮し検討しましょう。
メンテナンスの手間とコスト
サウナストーブは、安全に長く使用するために定期的なメンテナンスも不可欠です。サウナストーブの耐久年数は、種類や製品によって異なりますが一般的に10年程度といわれています。一方で、高温の熱を発生させるためストーブ本体への負荷がかかりやすく、適切にメンテナンスを施さないと故障などのトラブルにつながります。
そのため、メンテナンスにかかる手間やコストもサウナ用ストーブの検討時の重要なポイントとなります。定期的に手入れや掃除に対応できる種類を導入できると安心でしょう。
また、サウナ用ストーブを提供するメーカーによっては、手厚い保証期間を設けたり、部品の交換・修理に対応したりするケースもあります。信頼できるメーカーの商品を購入し、安全で快適なサウナを長く楽しめるようにしましょう。
サウナのセールスポイントとの相性
サウナ用ストーブの導入場所が、設置条件・燃料の確保・メンテナンスの手間において問題ない場合には、サウナのセールスポイントとの相性で絞り込むのもおすすめです。
サウナ運営における「セールスポイント」を明確にすることで、どの種類であれば実現できるのかが見えてくるでしょう。具体的には、以下のようにセールスポイントを考えることが大切です。
・薪ストーブで火を焚きながら、高温の本格的なサウナを提供したい ・ランニングコストが少ない電気やガスを導入し、リーズナブルな価格で安定的な顧客獲得につなげたい
自社のニーズと相性のよい種類を選ぶことで、サウナにおける他社との差別化が生まれ、サービスのブランディングにもつながるでしょう。
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サウナストーブの種類に応じた違いを理解しよう
サウナ用薪ストーブと家庭用薪ストーブとでは、 用途が異なります。そのため、家庭用薪ストーブは、サウナ特有の高温環境やロウリュが難しく、サウナストーブとしての代用はできません。必ず、サウナ用ストーブを選んで環境を整えましょう。
なおサウナストーブを検討する際は、それぞれの種類の違いを理解し、設置場所の条件や設置目的に合った選定が不可欠です。魅力あるサウナを提供するためにも、自社に適したサウナストーブを見つけられるとよいですね。