ニューヨークに、世界一高いカーボンシンクタワーを。Rescubikaが構想中

ニューヨークに、世界一高いカーボンシンクタワーを。Rescubikaが構想中

※この記事は、カーボンシンクタワー「mandragore」(https://www.designboom.com/architecture/escubika-worlds-tallest-carbon-sink-tower-new-york-09-15-2020/)の内容をご紹介したものです。

パリを拠点とする建築スタジオであるRescubikaは、ニューヨークのルーズベルト島に、大気中の二酸化炭素を閉じ込めることができるカーボンシンクタワー「mandragore」の建設を提案しました。建物は人類と自然との関係を象徴したものとなる予定。タワーの建築を通じて、地球との共生に向けた、環境保全の意思を示していくと言います。

「mandragore」の概要

今回のプロジェクトは、2050年までに二酸化炭素排出量を考慮し、カーボンニュートラルを達成する「明日の都市」計画に対応するものです。この野心的な目標を達成するため、Rescubikaは炭素の吸収源を作ることを念頭に置いて、タワーを設計。タワーは、広義には、排出する以上のCO2を吸収し、大気中の炭素を効果的に減少させる貯蔵庫とも言えます。この発想は、炭素を蓄えることのできるサステナブルな素材を使用することで、建築物にも応用できます。

「mandragore」の全容はまだわかりません。しかし、Rescubikaは木製の素材を使い、空気を脱炭素化するためのさまざまな方策を提案しています。また、地下のパイプを利用して地中の熱を取り込み、地中に放熱する「地中熱交換器」などのパッシブエネルギーの活用も検討されています。このシステムにより、冬には暖かさが、夏には涼しさが建物にもたらされます。

また、プロジェクトでは、「エネルギーの節制」という政治的な概念にも注目。「エネルギーの節制」とは、カーボンニュートラルの実現に向けたライフスタイルの変化と社会の変革を促す考え方です。そのため、各アパートメントにオフィスルームを設けて在宅勤務を可能にし、通勤時の交通量を削減していく予定だと言います。

160階建ての「mandragore」は、36基の風力タービン、1,600本の樹木、24,500平方メートルの植物壁、7,000平方メートルの太陽光発電ファサードで構成されています。Rescubikaは、膨大な数の草木によって大量の炭素を吸収し、生態系を汚染しないデザインを提案していくとしています。

タワー外観1
タワー内部
タワー外観2
タワーと夜景

プロジェクトの概要

プロジェクトの概要は以下の通りです。

  • プロジェクト名:世界一高いカーボンシンクタワー「mandragore」
  • ステータス: 構想段階
  • 建築事務所: Rescubika
  • 建築家: Benoit Patterlini氏

【参考】https://www.designboom.com/architecture/escubika-worlds-tallest-carbon-sink-tower-new-york-09-15-2020/