【国内流通1%未満】木製サッシの量産化を開始。住宅に採用し、2024年600棟の生産を目指す

【国内流通1%未満】木製サッシの量産化を開始。住宅に採用し、2024年600棟の生産を目指す

株式会社ウッドフレンズ(以下、ウッドフレンズ)は、2021年11月26日より、自社開発したオリジナル木製サッシ「WINDOW WOOD」を採用した分譲住宅の販売を開始しました。

木質資源カスケード事業とは

ウッドフレンズは、時代・社会・環境における企業活動として東海地方の豊富な森林資源に着目し、2011年に自社集成材工場、プレカット工場を岐阜県養老町に開設しています。住宅事業において林業から建築、販売まで一貫した「製造小売」を実現することで、従来の複雑な流通を省き、国産材を適正価格で安定的に供給することを目指す企業です。また、同時に構造材の生産工程における余剰材を有効活用することで、木質資源ロスを減らすことに繋げているそうです。

同社が掲げる「木質資源カスケード事業」は、地域の林業を適切に循環させ、木資源を適切に使い切ることに繋がるもの。この概念のもとに投資・開発を進めることで、「SDGsへダイレクトに繋がっている」としています。今回、本事業の一環として同社は木製サッシを開発し、販売する住宅に採用するに至りました。

気密性において最高等級を取得した「木製サッシ」の概要

同社が開発した木製サッシは、性能面では気密性において最高等級の「A-4」を取得しており、熱貫流率においても一般的なアルミ樹脂複合サッシを上回る結果が得られます。

同社では、同サッシを使った住宅を愛知県名古屋市の「新家族展示場」に採用しており、採用物件第一号としては2021年11月26日に戸建分譲住宅「愛知県稲沢市 国府宮西パート11」を販売開始しています。また、「2022年5月期に60棟分、2024年5月期には600棟分の販売を目指す」としています。

サッシのアップ
木製サッシを活用した住宅

木製サッシの国内普及率はわずか1%未満。量産化による低コストを目指す

アメリカやイギリス、ドイツにおいては、木製サッシが約20%のシェアを占める中、日本においてはほとんどがアルミと樹脂による複合サッシとなり、木製サッシのシェアは全体のわずか1%未満です。

さまざまな業界でSDGsや脱炭素社会への取組みが進む中、日本で木製サッシが普及していない背景として、同社は日本の気温・湿度の変化に適応するための要求品質基準が高く、「開発のハードルが高いこと」があると見ています。アルミなどと比べて形成が難しいために高コスト構造となってしまうことで、市場では高額な住宅を除き、普及が進んでいない現状です。このような状況のなか、同社では、国内グループ工場の集成材生産ラインを活用し、自社開発・製造によるコストメリットで、採用物件の拡大と量産化を図っていくとしています。

国内の種類別サッシ普及率

環境負荷の低減。生産時CO2放出はアルミサッシと比べて 1/34 に

同社によると、アルミニウムはボーキサイト(鉱物)を電気で精錬して金属にしますが、その際に膨大な電気を使用します。対して木材は、製造にかかるエネルギーが極めて少なく、製造時のCO2放出もアルミニウムと比べて1/34に抑えることが可能です。また、アルミニウムのように材料を輸入する必要がなく地産地消での生産が可能な点や、木は育林時にCO2を吸収する点においても、「脱炭素社会において木製サッシの普及には意義がある」としています。

サッシの製造エネルギー比較