ポーランドのポズナンにできた、木製の鳥類観測所。建築学科の学生が設計・建設

ポーランドのポズナンにできた、木製の鳥類観測所。建築学科の学生が設計・建設

※この記事は、ポーランドにある木製の鳥類観測所(architecture students design and build wooden bird observatory in poznań, poland)の内容をご紹介したものです。

ラトビアを拠点とする建築会社「NOMAD」の指導を受けた建築学科の学生10名が、ポーランド郊外の都市コビレポレにあるブロワルニー池に、木製の鳥類観測所を設計・建設しました。これは、「Mood for Wood 2021 ポズナン版」の一環として行われた取り組みです。池の周辺は湖岸植物に覆われ、多くの鳥類が営巣するのに適した環境だと言います。

木製の鳥類観測所を設計・建設

木製の鳥類観測所の設計に際し、学生たちは何度も現地を訪ねたり、将来使う人に話を聞いたり、学生同士でディスカッションしたりしました。それらをもとに、学生たちはアイデアや要望を1つのデザインに集約。ワークショップの4日目には、地元のバードウォッチャーとポズナンの州森林局に最終モデルと図面を提出し、建設の承認を得ました。

建築会社「NOMAD」の指導のもと、学生たちは2週間足らずで鳥類観測所を完成させました。鳥類観測所の主な部材をポズナン中心部の木材工場で組み立てた後、現地に運んでスクリューパイルの基礎に接合・固定。6日間の工事を経て、鳥類観測所が完成したと言います。

鳥類観測所
image by dawid majewski

2層構造で、ユーザーを「隠す」+「守る」

池の畔に設置された鳥類観測所は、傾斜した地形を利用し、バードウォッチャーが水辺の植生の中に隠れられるような2層構造になっています。この形状は、一見すると審美的な選択であるかのように見えますが、実は鳥類観測所の多機能性を反映したものです。「下層」には、水辺につながる2つのプラットフォームがあります。また、桟橋を模した「上層」は傾斜した側面が屋根となっており、悪天候からバードウォッチャーを守っています。突き出た「翼」には、壁や背もたれとしての機能があるため、腰を下ろして、上からの眺めを楽しむことができます。「上層」と「下層」の間のスペースは、モジュール式の家具に座ったり寝転んだりするのに十分な広さで、機材やバックパックを収納することもできるそうです。

加えて、人々の興味をそそるよう、学生たちはこの地域によくいる鳥のシルエットとQRコードを鳥類観測所に刻みました。QRコードに刻印された鳥類の詳細情報は、オンラインで確認できます。

上から見た鳥類観測所
image by dawid majewski
学生と鳥類観測所
image by dawid majewski

【参考】architecture students design and build wooden bird observatory in poznań, poland