ベトナムの松林に溶け込む、三世代同居に対応したヴィラ「villa LP」が完成

ベトナムの松林に溶け込む、三世代同居に対応したヴィラ「villa LP」が完成

※この記事は、ヴィラ「villa LP」(three-generation family house blends into pine tree forest in vietnam)の内容をご紹介したものです。

建築会社「Nghia」は、ベトナムの松林の中にひっそりと佇むヴィラ「villa LP」を建設しました。ヴィラは周囲の緑に溶け込むような重厚な造りとなっています。

三世代同居を想定した「villa LP」

「villa LP」は、住む人のライフスタイルや年齢、個人のニーズに合わせた住まいを目指して作られたヴィラです。三世代同居を想定しています。

この地域に古くから住んでいて近所づきあいも盛んな「高齢者」と、外国の現代的な生活様式に慣れ親しんでいる「子」や「孫」たち。こうした三世代が同居することを考え、「villa LP」はベトナムの伝統的な生活様式と海外の現代的な生活様式が融合した構造になっています。

建物写真1
image by nghia architect

周囲の自然とのつながり

すべての居住者の要求に応えられるよう、「villa LP」では伝統的な建築要素とモダンなタッチをミックスしました。特に重要だったのが、大きな「集合スペース」です。「集合スペース」は、メンバーが交流し、一緒に時間を過ごしながら、必要なときには自然に近いところで充実した時間を過ごせることを目的としています。それを実現するため、フレキシブルに開閉できる空間と、周囲の自然と効果的につながる空間を設計。既存の森につながる大きな中庭を設け、屋内と屋外の境界を曖昧にし、シームレスに行き来できるようにしました。屋根を突き抜ける螺旋階段は、居住者たちを緑豊かな広いベランダへと導きます。

建設にあたっては、既存の森に介入しないことを心がけ、既存の樹木のほとんどをそのまま残しました。実際、建物は水平に広がるように設計されており、松の木が繁茂するための十分なスペースが確保されています。建物を貫通させる空洞を天井に設け、自然をより身近に感じられるようにしたケースもあるそうです。

建物写真2
image by nghia architect

「villa LP」の構造

建物内部は、3つの居住ブロックに分かれています。建物の側面には2つの寝室、奥にはゲストルーム、家の中心には大きなキッチンとダイニングがあります。キッチンとダイニングは、メインのコミュニケーションスペースとなっています。

建物の素材として、コンクリートと天然木を使用。コンクリートむき出しの表面と木目模様は、素朴で自然な印象を与えながらも、現代のライフスタイルに合ったエレガントさと親しみやすさも演出しているそうです。

遠くから見ると、この大きな建築物は2層の屋根の輪郭からしか、見分けがつきません。また、この建物は、洗練された屋根構造によって、重力を再定義する外観を持つという点でも特別です。長さ30mの天蓋の下には構造柱が一切ありません。細く軽い天蓋は、緑の自然に満ちた広いオープンポーチを創り出しています。キッチンブロックの前には広く開放的なパティオがあります。居住者たちは、パティオで木々や青空を眺めながら、交流することができます。

建物写真3
image by nghia architect

【参考】three-generation family house blends into pine tree forest in vietnam