森を育てる「延岡メンマ」を、学校給食で提供開始。放置竹林を地域資源に変え、食育を推進
LOCAL BAMBOO株式会社(以下、LOCAL BAMBOO)は2022年3月29日、延岡市内の小・中学校の給食の食材として、森を育てる「延岡メンマ」の提供を開始したと発表しました。同社は放置竹林を地域資源に変えることで国産メンマの消費量を増やすとともに、竹害を防いで豊かな森林資源を守っていきたい考えです。
森を育てる「延岡メンマ」で、日本の豊かな森林資源を守る
日本は世界でも有数の森林大国であり、国土の3分の2を森林が占めるほど、豊かな森林資源を有しています。林野庁の調査によると、国内の竹林面積は、2017年時点で16.7万7ヘクタールと、2012年比で4%、1986年比で13%拡大しています。
LOCAL BAMBOOがある宮崎県延岡市の80%を占める山林でも、誰にも整備されない「放置竹林」が問題となっています。成長スピードの早い竹林は森に入る日光を遮り、木々の成長を止めてしまうほか、根が浅い竹林は地滑りの原因にもなります。このような山林の竹害を解決すべく、同社は2020年11月より放置竹林を活用したメンマの生産に踏み切ったとのことです。
延岡の素材で作る、味にもこだわった国産メンマを、学校給食で提供
同社は延岡メンマの生産にあたり、“放置竹林をメンマにして、竹害を食い止める”という社会貢献に繋がる活動でも、美味しくなければ多くの人に親しまれることにつながらないと考えています。そのため、商品化にあたっては自分たちが本気で「美味しい」と思える味を追及したそうです。
このような背景から生まれた延岡メンマは、延岡の森で採れる、柔らかい触感が特徴の孟宗竹を使った、やさしい歯ごたえを特徴としています。同商品は、延岡市内の小中学校で給食として、提供を開始しているとのことです。
国産メンマの美味しさと竹林が抱える課題を広める食育
学校給食の提供開始に合わせて、同社代表の江原氏は、延岡市立川島小学校にて特別授業を開催。日本の豊かな森林資源が抱える「放置竹林」や「竹害」などの社会課題や、地域と連携した取り組みを伝える内容となったそうです。
学生からは、以下のような感想があがったとのこと。
・食感も良くてコシがあった。延岡だけではなくて、県外にも広まってほしい
・SDGsにつながっていて、私もそういう取り組みに関わる人になりたい
・竹による問題をなくすための活動と知り尊敬した。自分もできることがあればやりたい
・問題となっている竹が、あんなに美味しくなるなんて驚いた
同社代表の江原氏は、放置竹林の課題は延岡市に限った内容ではないとして、「食育として、より多くの教育機関と連携することで子どもたちに国産メンマの美味しさを味わっていただくとともに、この社会課題を知っていただき、林業を持続可能な産業にしてまいります」とコメントしています。