日本初!東急線全路線を再生可能エネルギー由来の電力100%で運行開始。カーボンニュートラルの実現に向け前進

日本初!東急線全路線を再生可能エネルギー由来の電力100%で運行開始。カーボンニュートラルの実現に向け前進

東急株式会社・東急電鉄株式会社は、2022年4月1日より東急線全路線での運行にかかる電力を、再生可能エネルギー由来の電力に置き換えると発表しました。これは東急が公表した「環境ビジョン 2030~なにげない日々が、未来をうごかす~」に基づく、沿線エリアでの脱炭素・循環型社会実現に向けた取り組みです。全路線を再生可能エネルギー由来の電力100%にて運行するのは、日本で初めてとなります。

環境ビジョン2030について

東急が掲げる「環境ビジョン2030」では、環境と調和するまちづくりの推進にあたり、環境に良い行動を特別な負担感なく選択できる日常を目指しています。その中でも今回の取り組みは、脱炭素・循環型社会の実現に向けた、重要施策の一つに位置づけられています。また、同社における年間CO2排出量551,059t-CO2のうち、約3割を占める鉄道事業の脱炭素化は重要であり、同ビジョンでは連結CO2排出量を2030年に46.2%削減(2019年比)、2050年に実質ゼロを目標にしています。

世田谷線から全路線に拡大

同社では、再生可能エネルギー100%電力での運行を、2019年3月よりすでに導入済みの世田谷線に加え、東横線をはじめとした鉄道7路線に拡大します。鉄道7路線は東京電力エナジーパートナー株式会社、世田谷線は引き続き株式会社東急パワーサプライの再エネ電力メニュー(※1)により、CO2排出量が実質的にゼロとなります。削減見込みは、年間で約165,000t-CO2と計上しており、これは一般家庭の年間CO2排出量に換算すると約56,000世帯、東京ドーム約66個分(※2)に相当します。

※1 RE100に対応したトラッキング付非化石証書活用によるメニュー
※2 環境省「令和2年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査(速報値)」より算出

車両更新や駅 照明の化などほかにも省エネ施策を推進

中期事業戦略 “3つの変革・4つの価値”に基づき、さまざまな環境プロジェクトを推進中の東急電鉄は、車両更新や駅照明のLDE化、設備機器の高効率化などの省エネ施策をさらに進めています。また自社再エネ発電として太陽光発電などの取り組みも行い、脱炭素社会に貢献していく考えです。

駅ホーム照明

全路線の再生可能エネルギー由来の実質CO2排出ゼロの電力での運行概要

概要は以下の通りです。

鉄軌道全路線の概要

・営業キロ 104.9km(鉄道7路線、軌道1路線)
(鉄道)東横線・目黒線・田園都市線・大井町線・池上線・東急多摩川線・こどもの国線 
(軌道)世田谷線
・輸送人員806,783千人(2020年度実績)
・年間使用電力量約3億5千万kWh(2022年度計画)

再生可能エネルギー由来の実質CO2排出ゼロの電力とする手法

「電気事業者による再生可能エネルギーの調達に関する特別措置法」第2条第5項に定める特定契約の対象となる発電所についての追加的な属性情報が付与されたトラッキング付き非化石証書(=FIT非化石証書)および発電所についての追加的な属性情報が付与された再エネ指定の非FIT非化石証書を活用した電力を購入することで実施。
※非化石証書 太陽光発電や風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電など非化石電源により発電された電力の環境価値を取り出した証書

再生可能エネルギー由来の実質CO2排出ゼロの電力に置き換える範囲

・鉄道7路線の運行、全駅等で使用する電力
(鉄道)約3億4,900万kWh
・世田谷線の運行で使用する電力
(軌道) 約200万kWh

再エネ電力のスキーム

・鉄道7路線 東京電力エナジーパートナー株式会社

東京電力エナジーパートナー株式会社スキーム

・軌道1路線(世田谷線) 株式会社東急パワーサプライ

株式会社東急パワーサプライスキーム