隈研吾氏が、村上春樹ライブラリーの「木のトンネル」をデザイン
※この記事は「隈研吾建築都市設計事務所」が建築した村上春樹ライブラリーの「木のトンネル」(kengo kuma designs a wooden tunnel for the haruki murakami library in tokyo)の内容をご紹介したものです。
隈研吾建築都市設計事務所は、東京の大学の建物の一部を「早稲田大学国際文学館」に改修しました。建物は、「村上春樹ライブラリー」とも呼ばれています。村上春樹氏の著作からヒントを得て、「平凡さ」を称え、村上春樹氏の優しさを表現する曲線を取り入れた造りになっていると言います。
村上春樹氏の世界を空間に再現
完成した「村上春樹ライブラリー」を訪れた隈研吾氏は、以下のように語っています。
隈研吾氏の言葉
「もともとの4号館は普通の建物でしたが、その平凡さが建物をスタイリッシュにします。平凡さを発見することは重要なテーマです。平凡さがいかにスタイリッシュで、いかに魅力的であるか…。このコンセプトは、村上文学に共通していますよね。村上春樹の世界を、細部に至るまで再現することを心がけました。秋の開館時には、細部までじっくりとご覧いただき、楽しんでいただければと思います。」
木のトンネルが迎えてくれる
隈研吾は、既存の建物の外壁を純白に塗り替え、その一角にエントランスまで回り込むように、うねった木のトンネルを設けました。この有機的な形状の構造体は、鉄骨フレームに幅の異なる木製ルーバーを張ったものでできており、自然な外観を作り出しています。
木製のエントランストンネルを抜けると、今回のリノベーションの目玉である階段の本棚があります。本棚には、村上春樹の小説の初版本が展示される予定。木製ルーバーでできたこのトンネルは、あたかも、図書館につながる温かみのある通路のようです。
このプロジェクトは、新しいラボやスタジオ、読書室から構成されています。屋外の緑地は、住友林業緑化株式会社によるものです。周囲の建物や環境に合った低木や樹木を、厳選して作ったと言います。
「早稲田大学国際文学館」(村上春樹ライブラリー)は、2021年10月1日にオープン。2022年2月4日まで「建築のなかの文学、文学のなかの建築」と題したオープニング展を開催しています。
【参考】kengo kuma designs a wooden tunnel for the haruki murakami library in tokyo