愛媛県内子町で地域連携型の「内子龍王バイオマス発電所」の建設に着手
DNホールディングス株式会社の基幹事業会社である大日本コンサルタント株式会社は2022年4月25日、有限会社内藤鋼業、株式会社サイプレス・スナダヤ、株式会社竹中工務店、三洋貿易株式会社の4社と共に、愛媛県内子町での木質バイオマス発電の事業化に向けて、同年5月より「内子龍王バイオマス発電所」の建設に着手すると発表しました。地域の脱炭素化や防災力強化に寄与する木質バイオマス発電事業として、地方自治体や地元企業と連携した「木質バイオマスによる持続可能なまちづくり」の先導モデルとなるべく、取り組みを推進していくといいます。
未活用の地域資源活を利用。エネルギー効率を高める工夫も
内子町では、2007年に掲げた「バイオマスタウン構想」に従い、町内各所でバイオマス利活用が進んでいます。今回、大日本コンサルタントらが主導して設立する同発電所は、2021年9月に5社の共同出資で設立した「株式会社内子龍王バイオマスエネルギー(社長:内藤昌典)」を事業主体としています。同社と内子町が締結した「内子町龍王地区の木質バイオマス熱電併給に関する基本協定書」に基づく各種支援に加え、地元企業20社からの優先出資など、地域一体となって事業実現に関与する仕組みを導入。地域内に新たなエネルギーと経済の循環を構築します。
当発電所は、発電燃料に内子町森林組合に出材された原木約3,600tの間伐未利用材から製造されたペレットを活用。発電した電力は固定価格買取制度(FIT制度)を利用して、四国電力送配電へ全量売電するとともに、発電の際に発生する熱は隣接する内子町龍王公園内の2施設へ供給する計画です。これにより、エネルギー効率を発電のみの30%から75%に高められるといいます。
発電システムは、ドイツのブルクハルト社製の小型高効率木質バイオマス熱電併給装置を採用。木質ペレットは内藤鋼業小田ペレット工場より調達する計画で、安定的かつ確実な施設運営を目指しているということです。
また、発電所建屋は町産材による木造建築で、内子町景観まちづくり条例に配慮したデザインです。部材には、西条市のサイプレス・スナダヤで製作された直交集成材(CLT)を積極的に活用し、「観光資源として見せる発電所」となるよう計画されています。
同取り組みのスキームは以下の通りです。
事業概要
名称 | 内子龍王バイオマス発電所 |
所在地 | 愛媛県喜多郡内子町内子1365番地 |
事業者 | 株式会社内子龍王バイオマスエネルギー (内藤鋼業、サイプレス・スナダヤ、竹中工務店、三洋貿易、大日本コンサルタント) |
規模・構造 | 敷地面積797m2、建築面積181m2、木造 |
出力 | 電気330kW、熱500kW |
着工予定 | 準備工事:2022年4月、本体工事:2022年5月 |
発電開始予定 | 2022年10月 |