多摩産材ブランド“TOKYO WOOD”の取り組みが「森林×脱炭素チャレンジ2022」で優秀賞を受賞

多摩産材ブランド“TOKYO WOOD”の取り組みが「森林×脱炭素チャレンジ2022」で優秀賞を受賞

小嶋工務店は2022年6月23日、同社が参画している一般社団法人TOKYO WOOD普及協会が、林野庁「森林×脱炭素チャレンジ2022」において優秀賞(林野庁長官賞 /「伐って、使って、植える」 森林の循環利用への貢献)を受賞したと発表しました。同協会は「東京の森を守り、東京の林業の活性化」をテーマに、多摩地域の林業会社・製材業・プレカット工場・工務店がひとつとなり、多摩産材のブランド化に取り組んでいる団体です。

林野庁「森林×脱炭素チャレンジ2022」とは

「森林×脱炭素チャレンジ2022」は、林野庁が2022年に新たに創設した顕彰制度です。政府が宣言した“2050年脱炭素(カーボンニュートラル)の実現”に向け、森林整備の取り組みを通じて貢献している企業や団体を顕彰。森林整備によるCO2吸収量と取り組み内容を総合的に踏まえて、グランプリ(農林水産大臣賞)1件、優秀賞(林野庁長官賞)9件を選定します。

優秀賞を受賞した同協会が評価された点は以下の通りです。

1)2020年~゙2021年、東京・多摩の森において約8haの間伐に取り組み、年間42tのCO2を吸収

2)林業会社・製材所・プレカット工場・工務店からなるチーム体制による森林の循環利用を確立。東京の木“多摩産材”を使った「地産地消の家づくり」で、安定して多摩産材を供給することができる体制を整備

森林整備の説明図

同協会に所属する田中林業株式会社代表取締役・田中惣一氏は、「東京の木の利用拡大を目的に歩んできた当協会の取組について、脱炭素にも貢献しているということは以前から朧気ながら感じていましたが、今回の受賞によりそれがより明確になったと感じています。今後も地域の信頼と具体的な根拠を提示できる森林経営、そして木材流通を行い、 2050年カーボンニュートラルの実現に貢献していきます」とコメントしました。

表彰記念写真

一般社団法人TOKYO WOOD普及協会について 

今から約10年前にスタートした一般社団法人TOKYO WOOD普及協会は、原木供給者の田中林業株式会社・株式会社東京チェンソーズ、製材事業者の有限会社中嶋材木店、プレカット事業者の株式会社タカキ、工務店の株式会社小嶋工務店で構成。独自の基準で厳選した多摩産材を「TOKYO WOOD」と称してブランド化を推進するために、地産地消の住宅“TOKYO WOODの家”を展開し、普及促進に努めています。

TOKYO WOODの森づくり

同協会は、多摩の森林を適切に伐採することで山を維持管理するほか、次世代に向けて苗を植えて育てる活動も展開するなど、森林の健全な木材生産サイクルを確立することに取り組んでいます。さらに、小嶋工務店が年間着工棟数を安定させて需要を堅実につくることで、業界全体を活性化。林業会社も未来に向けた森づくりに取り組み、永続的に木材を供給できる体制を整えています。

年3回バスツアーを実施し、森と触れ合える場所を提供

同協会では、TOKYO WOODの家を建設予定者を対象としたバスツアーも年3回開催しています。バスツアーでは参加者を実際に森へ案内し、参加者は林業家から木についての話を聞いたり、伐り出された丸太が集まる市場を見学したりできます。また、製材所で天然乾燥した檜の柱の手触りや香りを体感する機会もあるということです。

このように、森とさまざまな形で触れ合う機会を設けることで「東京の森のこと」「森に関わる人・企業のこと」「地元の木を使った家のこと」「家を作ることで森づくりが循環していくこと」を広めています。

バスツアーでの森のガイドの様子

また、未来を担う子どもたちが、五感で森に親しみ、木々に触れ合うことを通じて、東京の自然環境への関心を深められるように、「木育プログラム」としてこの活動を役立てているということです。

今後の展開

現在、日本で使われている木材の約7割は海外からの輸入というのが現状です。その木材の多くは北米やヨーロッパ、ロシア、ニュージーランド、アフリカや南米などの遠方から、化石燃料(重油)を用いた輸送船で運ばており、木材の輸入量が多く輸送距離が長いほど、大気中に温室効果ガス(二酸化炭素)を放出しています。

同協会は、日本全国で地域材を使うことが、輸入材による環境負荷の軽減や、ウッドショックのリスク回避にもつながるとし、今後さらに多摩産材ブランド「TOKYO WOOD」の供給を増やしていきたい考えです。