焚き火でよく燃える木は?針葉樹・広葉樹の違いと使い分けのポイント

焚き火でよく燃える木は?針葉樹・広葉樹の違いと使い分けのポイント

焚き火を行う際に「よく燃える木を選ぶ」ことは重要なポイントの一つです。実際に焚き火をしていて、「火がつきにくい」「すぐ消えてしまう」といった経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。そのような悩みの解決方法として、焚き火にあった薪を選ぶことが挙げられます。今回は、焚き火で燃えやすい木の種類やさまざまな樹種の特徴、薪が燃えない要因をお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

焚き火でよく燃える木は「針葉樹」

薪は大きく分けて針葉樹と広葉樹の2種類に分けられます。焚き火を行うときに最もよく燃える種類は「針葉樹」といわれています。針葉樹は細胞に多くの空気や樹脂を含むため、火がつきやすく、焚き火を始める際の焚き付け用として利用するのに適しています。

一方で、針葉樹は燃え尽きるのが早いという特徴も持ち合わせています。一般的に広葉樹のほうが火持ちがよいとされているため、焚き火の際には、シーンによって薪を使い分けるのがおすすめです。

また、針葉樹や広葉樹の種類によっても特徴は異なります。ここからは、薪として使われる代表的な木についてご紹介します。

針葉樹の薪の特徴

針葉樹は焚き付け時や火力が弱まったときなど、火力を安定させるために使うのが適しています。薪として使われる木は、主にスギ、ヒノキ、カラマツなどです。詳しい特徴を見てみましょう。

杉(スギ)

スギは日本で昔から多く植林されている樹木で、比較的手頃な値段で手に入ります。軽くて柔らかいのが特徴で、薪割りはしやすいですが燃焼時間が短いため、焚き付け用として使用するのがおすすめです。

檜(ヒノキ)

ヒノキは古くから社寺建設に使われることが多く、高級な建築材として扱われてきた樹木です。ヒノキがもつ特有の香りを好む方も多いのではないでしょうか。乾燥が早いため燃えやすく燃焼後に灰が残りにくいことから、後片付けが簡単なことも特徴のひとつです。

松(マツ)

マツは昔、タイマツとして使われるなど照明のない屋外で重宝しており、古くから火を起こす際に使われていた樹木です。針葉樹の中でも油分が多いため火がつきやすく、スギやヒノキと比べて燃焼時間もやや長めです。

マツ科の中にもさまざまな種類があり、山や森でよく見られるのは「アカマツ」という種類です。北海道や信州などの寒地では「カラマツ」が多くみられ、ヤニが多く燃えやすいという特徴があります。

マツの木
image by Markus Spiske on Unsplash

広葉樹の薪の特徴

広葉樹は、針葉樹とは対照的に火持ちがよいとされ、長時間の焚き火に適しています。広葉樹は細胞の密度が高く火はつきにくいですが、一度火がつくと消えにくいのが特徴です。広葉樹の薪として流通しているのは、カシやクヌギ、ナラ、ケヤキ、シラカバなどです。ここではカシ、ナラ、ケヤキの3つについて紹介します。

樫(カシ)

カシは火持ちがよく煙も少ないため、「薪の王様」と呼ばれる樹木です。カシの木は成長や乾燥に時間を要するため流通量が少なく、ほかの薪に比べて価格もやや高め。しかし、安定した火力が長時間保てるため、薪ストーブにもよく使われています。

楢(ナラ)

ナラの木は、家具などにも使用されている樹木です。「ドングリの木」と聞くと馴染みがあるかもしれません。ナラは寒地でも生息できるほど樹幹の密度が高いため燃焼時間が長く、比較的手に入りやすいことから、焚き火の薪として好む方も多いといわれています。

欅(ケヤキ)

ケヤキは、広葉樹の中でも比較的着火しやすい樹木です。火持ちや火力に優れており、青みがかった炎があがるのも特徴のひとつです。木は複雑な繊維構造をもっており、乾燥すると非常に硬くなるため、初心者の方はすでに薪割りがされたケヤキを使うとよいでしょう。

【関連記事】針葉樹と広葉樹の薪の違いや見分け方。焚き火やストーブで上手に活用するには

焚き火で薪がよく燃えないのはなぜか?

薪

手順を確認しながら火を起こしても、「火力が弱い」「すぐに消えてしまう」などと、薪がよく燃えない経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。起こりうる要因を考えてみましょう。

薪が乾燥していない

木に含まれる水分は、およそ50%といわれています。しっかり乾燥していない薪をそのまま火にくべると、煙が大量に出るばかりでなかなか火が広がりません。薪を選ぶ際は、樹皮が浮いているもの、色がくすんでいるもの、断面にヒビが入っているものを選ぶとよいでしょう。

また、薪を地面に置く場合はシートや台を用いるなど、濡らさない工夫が必要です。

薪が太すぎる

はじめから太い薪を使って燃やすのは難しいため、焚き付けにはまず樹皮繊維を使うなど、小さい薪・薄い薪を用いましょう。その上に中間サイズの薪を組み、焚き付け材となる薪や着火剤に火をつけます。大きめの薪は炎が安定したタイミングで追加するとよさそうです。

また、大きな薪しか手元にない場合は、ナイフや斧、なたなどを使って薪のサイズを小さくしてみましょう。

焚き付けが不十分

焚き火の仕組みとして、焚き付けによって熱された薪が一定温度に達することでガスが発生し、このガスによって炎が安定します。寒い場所ではガスの発生に時間を要する場合もあり、思ったよりも多くの焚き付けが必要になる場合があることを知っておきましょう。

空気の通り道を作れていない

火をつけてから安定させるには、空気の通り道が必要となります。薪を組む際は、空気が下から上に抜けていくような構造で組むとよいでしょう。

薪の組み方には井桁型や合掌(ティピー)型、扇形など、さまざまあります。調理に向いていたり、長時間の焚き火に向いていたりとそれぞれ特徴があるため、シーンや場所によって組み方を変えてみてもよいかもしれません。

燃えにくい木を使っている

一般的に、ヤマモモやシャリンバイ、モチノキのような樹幹に水分を含む常緑樹は、燃えにくいといわれています。また、建築用の材木などは塗料や防腐剤などが使用されているケースがあり、燃やすと有害物質が出ることもあるため注意が必要です。自分の手で薪を作る場合は、樹種を調べたり、天然木の薪を使ったりと、焚き火向けの木を選びましょう。

焚き火
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【関連記事】焚き火に使う薪の種類はどれがいい?特徴の一覧や見分け方、購入先を紹介

よく燃える木の購入は通販サイトがおすすめ

よく燃える木をお探しの方は、オンラインショップでの薪購入がおすすめです。

森の中ストア」では、一般的な針葉樹と比べて火持ちしやすいといわれる、信州産のカラマツを100%使った薪を販売しています。薪の長さは、25センチ・35センチとさまざまなシーンで活用できるよう、2種類を扱っています。重い薪を運ぶ手間がかからず、少量から大容量まで必要な分の薪を選べるため、利用してみてはいかがでしょうか。

樹種の特徴を活かして焚き火を楽しもう

薪によく用いられる樹種には針葉樹と広葉樹の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。木の種類によっても火持ちが異なるだけでなく、炎の色や後片付けのしやすさなどが違うことは、焚き火を楽しむ魅力のひとつかもしれませんね。焚き火を行うシーンや環境、好みを踏まえて、薪を使い分けてみてはいかがでしょうか。