冬キャンプの寒さ対策に必要なものとは?最適な服装選びやグッズをご紹介

冬キャンプの寒さ対策に必要なものとは?最適な服装選びやグッズをご紹介

「冬キャンプをしてみたいけれど、寒さ対策に何が必要なんだろう」と気になる方もいるのではないでしょうか。事前の準備を万全にして、冬キャンプを快適に楽しみたいですよね。今回は、冬キャンプの魅力や寒さ対策のポイント、寒さ対策に役立つアイテムについてご紹介します。

冬キャンプの魅力

冬キャンプは、晴れた日の夜空に満天の星が見えることが最大の魅力です。冬は夏と比較して気温が低く、暖かい空気が上へ昇り、冷たい空気が下にさがる対流活動が弱い傾向にあります。これにより、空気中に含まれるちりや水蒸気などが少ないため、冬の空は澄んで見えるのです。日が落ちるのが早い冬だからこそ、ゆったりと星空を眺める時間が増えるかもしれません。

また、冬は虫が少ないためテント内に侵入してくる心配が少なく、快適な時間を過ごせる点もメリットです。冬キャンプでは虫よけや虫刺され対策は最小限でよいでしょう。

そのほか、気温が低い冬は、温かい料理や飲み物がより一層おいしく感じられます。仲間や家族と温かい料理を囲んで会話を楽しむのも、冬キャンプの醍醐味といえるでしょう。

このようにさまざまな魅力がある冬のキャンプですが、存分に楽しむためには寒さ対策が欠かせません。服装やアイテムなど準備を万全にして出かけましょう。

冬キャンプでの寒さ対策のポイント

ここでは、冬キャンプでの寒さ対策のポイントについてお伝えします。

気温にあわせて服装を選ぶ

冬のキャンプでは、服装選びが重要です。「アウターレイヤー(上着)」「ミドルレイヤー(中間着)」「ベースレイヤー(肌着)」のアイテムを重ね着するレイヤリングを取り入れましょう。最低気温に合わせた服装は、以下を参考にしてみてください。

最低気温10〜15℃

最低気温が10〜15℃の場合、昼間は快適に過ごせますが、朝と夜は一気に冷え込みます。そのため、着脱しやすい服装がよいでしょう。

日中にかいた汗をそのままにしておくと体を冷やす原因になるため、インナーは吸水性のいいもの、または速乾性のあるものを着用します。長袖のアイテムはシャツタイプやトレーナーがおすすめです。寒くなった際に羽織れるダウンベストやフリースは、一着用意しておくと調節がしやすいでしょう。

最低気温5〜10℃

最低気温が5~10℃のときは、吐く息が白く見えるほど冷え込みます。インナーは吸湿性の高い、または体温を逃がしにくいウール素材やヒート系のものがおすすめです。ミドルレイヤーには、長袖のトレーナーなどを着用しましょう。冷え込みがきつくなった際には、ダウンジャケットや厚手のコートを羽織ります。さらに、寒さに応じて厚手の靴下やネックウォーマーを使うとよいでしょう。

最低気温5℃未満

最低気温5℃未満になると厳しい寒さを感じるだけでなく、低体温症のリスクも伴うため、防寒対策が重要になります。インナーは上下ともに厚手のものを準備しましょう。長袖のフリースやインナーダウンの上に、防風機能のあるダウンジャケットやダウンパンツを着用するのがおすすめです。手袋や断熱性の高い靴下などの小物アイテムのほか、顔周りの寒さ対策として、耳まで隠れるニットの帽子やフリースのマフラーがあるとよいでしょう。

テント内の温度調整をする

テント内は、ストーブや電気式の暖房器具などを使いながら温度を20℃程度に保つと快適に過ごせます。ただし、ストーブを使う場合は一酸化炭素中毒のリスクがあるため、使用には細心の注意を払いましょう。

また、冬のテント内は冷気の有無で体感温度が変わります。アイテムを上手に使って外から入る冷気を遮断しましょう。テントの下にはグランドシートを敷くと底冷えを軽減できます。グランドシートは雨や雪でテントが濡れるのを防ぐ役割もあるため、用意しておくと安心です。

そのほか、冬に使用するテントは、スカート付きのものがおすすめです。フライシートの裾にスカートがあることで、地面とフライシートの間に隙間がなくなり、外からの冷気がテント内に入りにくくなります。

テントの中には銀マットとインナーマットを敷くことで、底冷えを防げます。銀マットは、アルミ材とクッション材が層になっており、断熱・保温効果があります。銀マットの上にインナーマットを置くと冷気対策の効果が向上するとともに、地面の凹凸も緩和されるでしょう。

キャンプ場の「電源ありサイト」で活躍する寒さ対策アイテム

電源ありのサイト
image by 杉田アウトドア on photoAC

キャンプ場には、「電源あり」と「電源なし」のサイトがあります。電源があるサイトの場合、電気式の暖房機器が使用できるため、寒さ対策にはとても便利です。ただし、1サイトで使用可能な容量には上限があるため注意しましょう。「電源ありサイト」で活躍するアイテムを以下でご紹介します。

①ホットカーペット

ホットカーペットの消費電力は、1畳サイズで約300W/hほどと比較的小さいため、使用電力の上限があるサイト内での利用も安心して使うことができる暖房器具です。テント内に敷くことで底冷え対策になります。ホットカーペットの上に机を置き、毛布やブランケットを足元に覆うようにかけるとこたつ代わりにもなるので便利です。

②電気毛布

電気毛布は、ポリエステルやアクリルを使った化学繊維や綿などの素材を選べるほか、温度調節機能やタイマー機能がついたものがあります。綿の電気毛布は肌触りがよく、吸湿性に優れているため、化学繊維が苦手な方や小さな子どもにもおすすめです。

また、電気毛布には室温を感知して自動的に温度設定を行う高性能な製品もあります。睡眠時も電気毛布を使いたい方は、寝苦しさを回避できるメリットがあります。さらに最近は着るタイプの電気毛布もあるため、使いたいスタイルに合う電気毛布を用意しましょう。

③セラミックヒーター

セラミックヒーターは排気ガスが出ないため、一酸化炭素中毒のリスクがない点がメリットです。転倒のリスクを考慮して、倒れたら自動的に運転を停止する機能がついているものを選ぶとよいでしょう。

また、デザイン性が気になる方には暖炉をモチーフにしたセラミックヒーターもあります。暖炉のようなデザインは、キャンプの雰囲気にも合うのでおすすめです。

ただし、セラミックヒーターは消費電力が1000Wを超えるものもあります。ホットカーペットなどと併用する場合は、消費電力の強弱を切り替えられるタイプのものを選びましょう。

キャンプ場の「電源なしサイト」で役立つアイテム

電源なしサイトで役立つポータブル電源
image by himawariin on photoAC

ここでは、電源がないキャンプサイトで冬キャンプを楽しみたいときに役立つアイテムを7つご紹介します。

①ポータブル電源

電源がないサイトであるととても便利なアイテムがポータブル電源です。ポータブル電源を持っていくことで電気式の暖房機器を使って寒さ対策ができます。そのほか、テント内でIHクッキングヒーターなどを使った調理ができるので、長時間寒い外気に当たりながら調理することを避けたい方におすすめです。

②ストーブ

ストーブは、テント内を暖かくするアイテムとして便利です。ただし、「ストーブの近くにガス缶など引火の恐れがあるものは置かない」「一酸化中毒にならないようこまめに換気をする」といったことに注意をしながら正しく使用しましょう。電源がなくても使えるストーブは一般的に「石油ストーブ」と「薪ストーブ」があります。それぞれについて以下でご紹介します。

石油ストーブ

石油ストーブは、電源がなくてもテント内を暖められる暖房器具の一つです。石油ストーブには「対流式」「反射式」の2つのタイプがあり、対流式はストーブの周りを広く暖められます。一方で、反射式は背面から熱は放射されずストーブの前方を暖めるタイプなので、隅に置いて使えるメリットがあります。石油ストーブは設置する場所に合うタイプを選ぶとよいでしょう。

薪ストーブ

薪ストーブは、本体が高温になるため、上に鍋を置くと煮込み料理などが楽しめます。薪ストーブを使用するには、煙突穴つきのテントや煙突がテントに触れるのを防ぐ煙突ガード、テントの焦げを予防するフロアシートの準備が必要です。薪ストーブは組み立てが簡単でコンパクトなタイプを選ぶと便利でしょう。

③カイロ

ピンポイントで体を温められるのが魅力のカイロ。近年、カイロはさまざまなタイプがあり、「貼るタイプ」「貼らないタイプ」の使い捨てカイロのほか、ベンジンが燃料となっている「オイル式カイロ」「充電式のカイロ」があります。いずれもサイズはコンパクトで収納しやすいため、寒さ対策の必需品と言えるでしょう。

④コット

コットは、睡眠時の底冷えを回避できるアイテムとして便利です。冬キャンプで快適な睡眠を確保するには、寝具のアイテム選びはとても大切になります。なかでも、底冷えの対策は欠かせません。コットを使用することで地面との空間が生まれ、冷気を遠ざけることができるメリットがあります。底冷えを最大限避けたい方は、高さがあるハイコットを選びましょう。

⑤湯たんぽ

安全性が高く、持ち運びに便利な湯たんぽ。材質は、金属や樹脂、陶器などさまざまなものがあります。熱湯を注げばどこでも暖をとることができる手軽さが魅力です。アウトドアショップのほか、100円ショップでも取り扱いがあります。キャンプ場で使用する際は、直火でお湯を沸かすことができる金属製のものが便利です。

⑥ウレタンマット

ウレタンマットは断熱性に優れているため、冬キャンプの冷気対策に役立ちます。比較的安価で丈夫な点も魅力です。収納方法は、ロールタイプと折りたたみタイプの2種類があるため、好みに合ったものを選びましょう。

⑦焚き火台

焚き火台は、焚き火で暖をとりたい方には必須アイテムです。焚き火を囲んで温かい飲み物を飲んだり、料理を食べたりすることで心身ともに温まることができるでしょう。キャンプ場によっては「焚き火OK」としていても「直火はNG」となっているところもあるため、焚き火台は持参するのをおすすめします。また、焚き火台と一緒に燃料となる薪も事前に準備しておくと安心です。

長野県にある齋藤木材工業株式会社では、信州産のカラマツ100%で作った薪を販売しています。ECサイトの「森の中ストア」の薪は人工乾燥させているため、含水率が15%以下に抑えられています。そのため、焚き火に慣れていない人でも「なかなか火がつかない」といったことが少なく、スムーズに焚き火を楽しむことができるでしょう。

薪のサイズは、シーンに合わせて25cmと35cmの2種類から選択可能です。この機会にぜひ、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

冬キャンプで寝るときの寒さ対策

冬キャンプは寝るときの寒さ対策が最も大切です。快適な睡眠を確保するためには、コットとマット、シュラフを使って寝床を作りましょう。コットの上に断熱性のあるマットを敷き、冬用のシュラフを置きます。オールシーズン用のシュラフしか持っていない場合は、シュラフカバーやインナーシュラフを併用することで保温性が向上するのでおすすめです。

また、シュラフとマットの間にカイロを挟むと朝まで暖かさが持続します。ただし、カイロを服やシュラフの中に貼った状態で寝ると低温やけどのリスクがあるため、貼る場所には注意が必要です。

寒さ対策を万全にして冬キャンプを楽しもう

空気が澄んでいて星空や焚き火の魅力がより引き立つ冬キャンプですが、快適に過ごすためには寒さ対策が欠かせません。冷気の遮断や気温に合った服装選びが大切なポイントです。キャンプサイトの電源有無によって必要なアイテムは異なるため、それぞれに合ったものを準備して、冬キャンプを快適に過ごせるとよいですね。