FSC認証マークが付いた商品一覧。マークの意味や種類もご紹介
木のマークが特徴的な「FSC認証マーク」。紙パッケージやはがき、カフェでテイクアウトした際の紙コップなど、日常生活の中で購入したものの中にこのFSC認証マークを見かけたことはありませんか。FSC認証マークとは森林保護を目的としたマークで、基準を満たした商品にのみ付けられています。今回はFSC認証マークが付いた商品をはじめ、マークの意味や種類をご紹介します。
FSC認証マークとは
FSC認証マークとは、森林の生物多様性や先住民、労働者の権利を守り、適切に生産された製品を消費者に届けるために設けられたマークです。責任ある森林管理を普及させるために設立された国際的な組織FSC(森林管理協議会/Forest Stewardship Council)によって定められたFSC認証に基づき、適切に管理された森林の木を使用した製品に対してのみ、マークを付けることが認められています。
FSC認証は、責任ある森林管理に対する認証であるFM認証(Forest Management/森林管理認証)と、FM認証を受けた森林から生産された木材が、他の不適格な木材と混ざらないよう、適切に管理・加工されていることを認証するCoC認証(Chain of Custody/加工流通過程の管理)の2つの認証制度によって成り立っています。「FSC認証」の表示を付けて販売・宣伝するには、関係する全ての業者が必ずCoC認証を取得していなければなりません。
FSC認証マークにおける3種類のラベル
FSC認証マークには、「FSC100%」「FSCミックス」「FSCリサイクル」の3種類のラベルがあります。ここでは、それぞれの意味について解説します。
FSC100%
FSC100%は、FSC認証林から生産した原料を100%使用している製品に付けられているラベルです。
FSCミックス
FSCミックスは、FSCが認める的確な原材料が複数組み合わされている製品に付けられているラベルです。
FSCリサイクル
FSCリサイクルは、回収原材料を100%使用している製品に付けられているラベルです。木材製品の場合、回収原材料の70%が消費者に使用され、回収された原材料である場合にのみ付けられます。
FSC認証マークが付いた商品一覧
それでは具体的にどのような商品にFSC認証マークが付いているか、実例をご紹介します。
【スターバックス コーヒー ジャパン】紙製品
2013年よりペーパーカップやペーパーナプキン、ドリンクに使うミルクパックといった幅広い紙製品にFSC認証紙を導入を開始しているスターバックス コーヒー ジャパン。紙製品にFSC認証紙を導入するだけでなく、タンブラーやリユーザブルカップの利用促進に努め、紙そのものを減らす取り組みにも力を入れています。
参考:スターバックス ストーリーズ ジャパン『森も人も持続可能に。スターバックスが選んだ「FSC®認証」とは?』
【三菱製紙】FSC認証紙
印刷用紙を中心に紙製品の開発を手がける三菱製紙では、2001年からFSC森林認証に取り組み始め、製紙工場として日本で初めてCoC認証を取得。FSC森林認証紙の生産を始めました。また国内にある社有林でもFM認証の取得を行い、3か所が認定林となっています。三菱製紙では、FSC森林認証のルールに従って紙を生産しています。
参考:三菱製紙『サステナビリティ [環境への取り組み] FSC®森林認証』
【ネピア】ティッシュペーパー、トイレットペーパー
ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの紙製品を手がけるネピア。その主要商品には、FSC認証マークが付いています。ネピアでは、2011年よりFSC認証紙を採用。さらに世界最大規模の自然保護団体であるWWFジャパン(世界自然保護基金)とライセンス契約を2017年に結び、FSC認証紙の普及促進にも務めるなど精力的な活動を行っています。
参考:ネピア『あなたとネピアで森を守る。FSC®』
【ハウス食品】紙パッケージ
カレー製品を中心にスナック菓子や麺類、健康食品など幅広い商品を手がける食品メーカーのハウス食品。多くの紙を使用している同社の製品パッケージでは、FSC認証紙の使用を推進。2022年9月時点での製品パッケージ認証マーク表示の実績は88.2%となっており、2030年度までに100%となるよう達成目標を掲げています。
参考:ハウス食品『紙への取り組み』
【日本郵便】年賀はがき
日本郵便では、2022年用の年賀はがきからFSC認証紙を採用しています。2022年用年賀はがきの当初発行枚数は18.3億枚。膨大な量の紙がFSC認証紙となりました。日本郵便では、年賀はがきだけでなく通常のはがきについてもFSC認証紙への切り替えを進めています。
参考:JP CAST『「森を守る」年賀はがきが、できました』
【ポプラ社】児童書
人気の児童書『おしりたんてい』(作・トロル)などを刊行するポプラ社では、2019年よりFSC認証紙を使用した児童書の出版を開始。手始めとして『おしりたんてい』がFSC認証製品として刊行されました。ポプラ社では、将来的にFSC認証製品を書籍製造のスタンダードにすることを目指し、FSC認証製品を実現可能な部分から増やしていくとしています。
参考:PR TIMES『環境に配慮した用紙だけでできている「FSC®認証」製品の刊行を一部の児童書からスタート|株式会社ポプラ社』
【ファンケル】紙パッケージ
化粧品やサプリメントなどの健康食品を手がけるファンケルでは、ドラッグストアやコンビニなどで販売しているスキンケア製品の専用パッケージを従来のプラスチック製からFSC認証紙に切り替えました。これによりプラスチックの使用量が年間で約92トン削減される見込みとなっています。
参考:ファンケル『スキンケア製品の卸販売用パッケージを環境に配慮したFSC認証紙に順次切り替え』
【ダイト】バスアメニティ
ホテルなどの宿泊施設用商品や化粧品の製造・販売などを行う株式会社ダイト。同社が販売するノンシリコンバスアメニティ「PESKO(ペスコ)」は、「人にも地球にもやさしいバスアメニティ」として、パッケージにFSC認証されたクラフト紙を約70%使用しています。
参考:株式会社ダイト『PESKO(ペスコ)』
【ワイス・ワイス】家具
家具の企画から開発、製造や販売までを手がける株式会社ワイス・ワイス。FSCなどの森林認証を受けた木材を積極的に活用し、豊かな森を育むことを4つの約束の1つに掲げています。同社が販売する家具「MOROTSUKA」は、自治体ぐるみとして日本で初めてFSC森林管理認証を取得した宮崎県諸塚村の木材を使用しています。
参考:株式会社ワイス・ワイス『Story2 MOROTSUKA』
【一般社団法人more trees】つみき
音楽家・坂本龍一氏が創立した森林保全団体「一般社団法人more trees(モア・トゥリーズ)」。「都市と森をつなぐ」をキーワードに、国産材を使ったプロダクトの開発などさまざまな取り組みを行っています。中でも建築家・隈研吾氏がデザインしたインテリアとしてもおもちゃとしても楽しめるプロダクト「つみき」は、 FSC認証を得ている宮崎県諸塚村のスギを使用し、つみきにもFSC認証マークが付いています。
参考:more trees design 『TSUMIKI』
FSC認証マークが付いた商品を選んで森林保全に貢献しよう
FSC認証マークは、厳格な審査のもと認証されているマークです。企業や団体が森林への高い問題意識を持ち、森林保全に努めようと取り組んでいる証でもあります。日々の買い物では、FSC認証マークの有無を意識し、マークが付いた商品があれば、積極的に選ぶことをおすすめします。FSC認証マークが付いた商品を選んで、森林保全に貢献していきましょう。