リユースについて簡単に解説!3Rの意味やリサイクルとの違い、具体例など

リユースについて簡単に解説!3Rの意味やリサイクルとの違い、具体例など

リユースとは、使用済み製品を捨てずにそのまま再利用すること。廃棄物対策である「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」の一つで、リユースはリサイクルよりも優先すべき取り組みとされています。この記事では、リユースの意味、リデュース・リサイクルとの違い、リユースの具体例などを解説します。

リユースとは?定義と3Rでの位置づけ

まずは、リユースの定義と「3R」の中での位置付けについて解説します。

簡単にいうと「再利用」を意味する言葉

リユース(Reuse)は、まだ使える使用済み製品を、捨てずに再使用することです。繰り返し使うことで、廃棄物の量を抑えながら、限りある資源を保全します。

環境省は、リユースを「使用しなくなった物のうち有用なものを製品としてそのまま使用すること、または他の製品の一部として使用すること」と定義しています。

参考:環境省『リユースを始めたい・広げたいあなたのための リユース読本

押さえておきたい「3R」。リサイクル・リデュースとの違いは?

3Rとは「リデュース」「リユース」「リサイクル」(Reduce/Reuse/Recycle)の頭文字を取ったもので、廃棄物を有効活用して環境負荷を低減するアクションの総称です。

リデュース、リユース、リサイクルの図
出典:政府広報オンライン『まだ使える使用済み製品を活かす!エコでお得な「リユース」を考えてみませんか?

「リユース」と「リサイクル」は混同されることがありますが、リユースは製品の形を変えずにそのまま使用することに対して、リサイクルは製品を原料に戻して新たな製品に再生する点で異なります。

最近は、不要なものを断る「リフューズ(Refuse)」を加えた「4R」、さらに、修理して長く使う「リペア(Repair)」を加えた「5R」など、ほかの「R」を足した行動を推進している自治体・企業もあります。

リユースが求められている背景|日本の廃棄物と環境問題

リユースの推進は廃棄物量を削減するのが目的ですが、背景にあるのは、最終処分場の残余年数や地球温暖化、資源の枯渇など、さまざまな環境問題です。

日本では、最終処分場(埋立地)の容量ひっ迫が問題となっており、廃棄物を削減する取り組みが求められています。そのため、ゴミを出さない努力(発生抑制)をすることが重要です。

リユースを進めることは、新品の製造における天然資源の使用や品目によっては製造工程で発生する温室効果ガスを削減するため、環境保全につながるとして期待されています。 

日本政府は、天然資源の消費抑制と環境負荷の低減を目的として、2000年に「循環型社会形成推進基本法」を公布しました。同法は、廃棄物処理の優先順位を、次のように定めています。

1.発生抑制
2.再使用
3.再生利用
4.熱回収
5.適正処分

このようにリユース(再使用)は、リサイクル(再生利用)よりも優先すべき手段に位置づけられています。

使えるものは捨てずに、交換・寄付・買い取りに出すなど中古品としてリユースし、使えないものは原材料にリサイクルして、廃棄物の量を削減していくことが重要です。

リユースの具体例

フリーマーケット
image by Darya Tryfanava on Unsplash

ここでは、簡単にできるリユースの具体例をご紹介します。

使わなくなったものを兄弟や知人などに譲る

使わなくなったものは、兄弟や知人など、身近な人に譲ることを検討しましょう。捨てる予定の衣類や家具、家電、おもちゃなどの中には、周りの人にとって必要なものがあるかもしれません。譲り渡すことで、不用品に新たな命を吹き込むことができます。

注意点は、相手のニーズに合ったものを選んで渡すこと。押し付けにならないよう、事前に相手の希望を聞いておくとよいでしょう。兄弟や知人に譲ることで、リサイクルショップなどに持ち込むよりも手間がかからないリユースを実現できます。

フリーマーケットやフリマアプリを活用する

フリーマーケットやフリマアプリで売却することもリユースの方法です。不用品を販売することで、新たな循環が生まれます。フリーマーケットは地域のイベントなど対面方式で開催されるため、多くの人に商品(不用品)を直接見てもらえます。

一方、フリマアプリは、遠方の人とも取り引き可能で、日時や天候に左右されないという利点があります。自宅の近くにリユースショップ(リサイクルショップと呼ばれている店舗もあります)があれば、引き取り・買い取りを依頼するのもよいでしょう。

いずれの方法も、不用品を有効活用できるだけでなく、ものを売ることで収入を得られるのもメリットです。

詰め替え商品を購入する

詰め替え商品を購入することも、リユースの一つです。例えば洗剤や化粧品などにおいて、商品の容器本体を繰り返し使用することで、容器の素材として使用されるプラスチック量を減らすことができます。

また、ゴミの量も減らせるため、廃棄処分で排出されるCO2を削減する効果も期待できます。

リターナブル容器に入った製品を選ぶ

「リターナブル容器」とは、使用後の容器を販売店に返却して、工場で洗浄後に再び中身を詰めて再使用されるものです。

代表的なものとして、一升瓶やビール瓶、サイダーや牛乳の瓶、宅配弁当のプラスチック容器、設置型ウォーターサーバーのボトルなどがあります。リターナブル容器は、回収後に洗ってそのまま使えるため、繰り返し使うほど環境負荷が低くなります。

似た取り組みとして消費者が自分で使用・管理するマイタンブラーがありますが、リターナブル容器は販売店に返却(回収)する点で異なります。

リユース家電や家具、OA機器を利用する

洗濯機をはじめとする家電や家具・パソコンなどのOA機器、自転車といったリユース商品を利用することも一つの貢献です。例えば、使用済み家電やOA機器などを、自社メーカーや量販店などが下取り・回収後に整備し、リユース品として販売しているものがあります。

また、自治体が回収した不用品をリユース品として提供していることも。消費者にとっては新品を購入するよりも低価格で購入できるため、環境にも優しい選択肢といえるでしょう。

丸太の端材を廃棄せず薪として活用|齋藤木材工業株式会社

長野県にある齋藤木材工業株式会社は、丸太の製材工程で発生する端材を、廃棄せず薪にして販売しています。集成材として使用できない部分を付加価値の高い商品に加工して、廃棄量を削減すると同時に、放置林の減少や林業の活性化などにも寄与しています。

通常は廃棄してしまう端材を有効活用したり、まだ使えるものを再利用したりする取り組みを行う企業を応援するのも、一つのアクションです。そうした企業情報を調べ、買い物の際に参考にしてみてはいかがでしょうか。

リユースの意味を理解し、できることから実践しよう

リユースとは、不用品を捨てずにそのまま再利用することです。資源の節約やゴミの減量につながり、環境負荷の軽減にも寄与できます。また、使わなくなったものを必要としている人に譲ることで、社会貢献もできるでしょう。リユースショップに持ち込んだり、フリマアプリで売買したりするなど、日常生活の中で簡単にできることから始めてみませんか。