創業以来160年間、祭りと共に歩んできた宮本卯之助商店が伝統文化と森林を循環させる”サステナブルな太鼓”を開発

創業以来160年間、祭りと共に歩んできた宮本卯之助商店が伝統文化と森林を循環させる”サステナブルな太鼓”を開発

株式会社宮本卯之助商店は2022年3月4日、檜原村を拠点とする林業会社、株式会社東京チェンソーズと共に昨今の東京の森林問題の解決に向き合った「森をつくる太鼓プロジェクト」を始動すると発表しました。同プロジェクトは、江戸東京の伝統に根差した技術や産品などを新しい視点から磨き上げ、世界へと発信していく「江戸東京きらりプロジェクト」の一環。第1弾として3月4日(金)よりサステナブルな太鼓「森をつくる太鼓」の発売を開始し、5月14日(土)には、檜原村にて森の演奏会&ワークショップ「はじまりの森」を開催するとのことです。

森をつくる太鼓が生まれた背景

本プロジェクトは、「自然との共生」という同社の願いから生まれたもの。太鼓を打ち鳴らしてきた日本人の原点に立ち返り、自然と人を繋ぐサステナブルな楽器づくりを通じて、アートと環境を豊かにする循環型社会の提案だといいます。

宮本卯之助商店は創業以来160年の歴史の中で、太鼓から始まり、祭りや芸能で使われる楽器や道具を作り続けています。現代生活における「消費サイクル」と、「商品のライフサイクル」のズレによる文化継承への影響と、その持続可能性を考えてきた同社が、日々持続可能な森林経営に取り組む林業会社「東京チェンソーズ」と手を組むことで、伝統工芸技術と間伐材を掛け合わせたサステナブルなプロダクト「森をつくる太鼓」が誕生しました。

森をつくる太鼓を広げる事で、檜原村のスギが豊かに樹齢100年を迎えられることに合わせて、木材としての価値向上や産業としての効率化、多様性のある森づくりに貢献していきたい考えです。

「森をつくる太鼓」の特徴

森をつくる太鼓の特徴は以下の通り。

160年以上祭りを支え続け技術の文化継承の危機に直面する宮本卯之助商店が推進する森林課題に向き合うために開発したソーシャルプロダクト

日本の伝統的な製法で作られた太鼓や祭に関わる楽器や道具は、職人の技術も、材料も無駄にしない、長く続くサステナブルな物づくりが行われてきました。例えば、祭りで使用する神輿は20〜30年に一度総修理を行い、太鼓は張替などを行うことで、長く使い続けられ、修繕には職人同士で伝統技術の継承が行われてきました。

しかし現代では、生活様式の変化から消費の時間サイクルが短くなり、技術や文化をこれまで通り育てていくことが困難となっています。これまで日本の伝統技術を牽引し、文化継承の危機に直面している同社だからこそ、改めてこのサイクルを見つめ直し、自然と共生してきた日本文化現代生活にフィットした形で同プロジェクトを活かせると考えているそうです。

林業会社東京チェンソーズと共に東京の森林問題解決に貢献

第一弾のプロダクトは、檜原村にある東京チェンソーズ社と共に東京のスギを使った桶太鼓となっています。東京は総面積の4割が森林ですが、木材価格の下落に伴い、林業従事者も1/10ほどに減少。戦後植林されたスギやヒノキ、サワラなどの人工林は樹齢60年に達しているものの、充分に活かされていないのが現状です。この状況に鑑みて、林業の観点から森林課題の解決に取り組む東京チェンソーズと共に東京の木材を活かした太鼓を開発し、木材の地産地消を推進。完成したプロダクトを東京の太鼓愛好者たちを始めとして多くの方に知ってもらうことで、東京の森林問題の解決に貢献できるという選択肢となっているそうです。

通常は太鼓製造の適正に達しない間伐材を伝統技術によって生かす

森林を適正に管理するために伐採された間伐材は、通常太鼓作りに使用する木材に比べ、密度や硬さは劣るといいますが、160年以上受け継がれてきた職人の知恵と技術で補うことで、美しく力強い打音を響かせるサステナブルな太鼓です。

さらに、通常は用いない板目材も取り入れ、浮造り仕上げを施すことで美しい木目も楽しめます。

和太鼓では世界初となるFSC®認証を取得

森林課題の解決の1歩は、「サステナブルに管理された森林の木材を使用すること」と考える同社は、森をつくる太鼓の一部ラインナップをFSC認証の太鼓として発売を決定しました。

FSC認証は環境、社会、経済の便益にかない、適切に管理された森林からの製品を目に見える形で消費者に届け、それにより経済的利益を生産者に還元する仕組みです。今後は各地のFSC認証材を用いた太鼓づくりや、太鼓以外のプロダクト作りにも取り組んでいく意向です。

「森をつくる太鼓」プロダクト概要

・販売開始日時:2022年3月4日(金)
 ※認証材を使用した「森をつくる太鼓」は3月中旬より発売開始予定
・販売場所:下記特設サイト、または店頭にて
・特設サイトURL:http://miyamoto-unosuke.co.jp/moritsuku/

イベント開催概要

・日時:5月14日(土)
・場所:東京都西多摩郡檜原村MOKKI NO MORI(https://mokki.jp)にて実施予定
・応募方法:下記特設サイトより申し込み可能
・実施内容:森についてのお話を聞きながらのノルディックウォーキング、太鼓や木工のワークショップを通じて、太鼓となる木が育まれる森を訪れ、木が伐採される瞬間から、太鼓として音楽を奏でるところまでを体感できる内容です。 ※時間などの詳細は下記特設サイトにて要確認
・特設サイトURL:http://miyamoto-unosuke.co.jp/moritsuku/
・主催:株式会社宮本卯之助商店
・共催:株式会社東京チェンソーズ
・協力:江戸東京きらりプロジェクト
・注意事項:終了予定時間15時ごろですが、前後する可能性があります。雨天時は、別プログラムで実施予定。
※3月19日(土)に予定していたイベントは雨天のため中止となりました。