カカオ農家に直接還元できるプログラムを付帯した、製菓用のサステナブルチョコレートを販売開始

2022.04.20

日新化工株式会社（以下、日新化工）は2022年4月19日、チョコレートメーカーなどに販売する製菓原料ラインナップとして、新たに「サステナブルチョコレートダークカカオ70％」を発売すると発表しました。同チョコレートの売上の一部は、imperfect（インパーフェクト）株式会社（以下、imperfect）が農家と実行する、社会課題解決プロジェクトの活動資金に充当されます。

Contents

1 カカオ農園に還元できるプログラム付帯チョコレートの普及を促進
- 1.1 協業の背景：カカオ産業が抱える課題
- 1.2 協業の背景：「Do well by doing good.」を体現するサステナブルチョコレートの販売
2 売上の一部を活用し実行するプロジェクトとは？
- 2.1 《プロジェクト1》「キャッサバを通じて女性たちが平等に活躍できる社会を！」
- 2.2 《プロジェクト2》「カカオの森と生態系を守ろう！」
3 サステナブルチョコレート概要

カカオ農園に還元できるプログラム付帯チョコレートの普及を促進

70年以上の歴史を持つ業務用製菓材料メーカー日新化工と、持続可能な社会の実現に向けて社会課題の解決に顧客と共に取り組むimperfectは2022年4月20日、カカオ農園に直接還元できるプログラムを付帯した「サステナブルチョコレート」の普及を共同で目指す協定に合意。今般の協業により、日新化工が販売する製菓原料のラインナップに、「Do well by doing good.（いいことをして世界と社会をよくしていこう）」を体現したサステナブルチョコレートが追加されました。

同チョコレートには、カカオ生産国の自然環境の保護やカカオ農家の収入向上等を通じて、カカオ産業の持続可能な発展を目指す「サステナビリティ」に配慮したカカオ豆が使用されているといいます。また、チョコレートの売上の一部は、imperfectがカカオ農家と共に実行する、農家の自立・環境保全プロジェクトの活動資金に充当されることが特長です。

協業の背景：カカオ産業が抱える課題

チョコレートの原料であるカカオは、赤道近くの高温多湿な地域で栽培されます。世界のカカオ生産の約7割を占める西アフリカ地域では、農薬の使用や森の伐採などによる生態系や環境の破壊や、地域の子どもたちの児童労働や農家の労働・生活環境の未改善など、多くの課題を抱えています。このままでは、持続可能なカカオの生産が難しくなる可能性も示唆されているといいます。

協業の背景：「Do well by doing good.」を体現するサステナブルチョコレートの販売

日新化工はかねてより、製菓のプロに向けた各種食品原料の製造を実施。これまでも認証を有した原料の販売など、サステナブルなカカオ生産に向けた取り組みを行ってきました。一方で、多くの関係者から「現地に直接貢献したい」という声が寄せられていたものの、企業規模やリソースによって、それが実現しないケースが多々あったとのことです。

そこで今般の協業により、会社や事業規模にかかわらずチョコレートを利用する全ての方に「サステナブルチョコレートダークカカオ70％」の利用を促進することを通じて、ガーナのカカオ農家へ直接貢献しながら、一般の消費者に現地で実行するプロジェクトの内容と成果を伝える仕組みを整えたということです。

この取り組みに参加し、サステナブルチョコレートを使用した商品には、活動への参画目印として「Do well by doing good.」のロゴが使用可能です。

売上の一部を活用し実行するプロジェクトとは？

また、サスティナブルチョコレートの売上の一部は、以下の2つのプロジェクトに活用されます。各プロジェクトの内容は、以下の通りです。

《プロジェクト1》「キャッサバを通じて女性たちが平等に活躍できる社会を！」

世界第2位のカカオ豆生産国であるガーナでは、女性が農園主である夫や男性のサポート役として認知される傾向が強く、農園外での就労機会を含めて活躍の機会が少ないことが課題といわれています。

そこで本プロジェクトでは、女性の地位向上を目指し、ガーナの主食の一つであるキャッサバの栽培・加工・販売を通じた経済的自立を応援するプロジェクトを行います。具体的には、女性カカオ農家にキャッサバの種子を提供し、栽培方法を伝えていくといいます。また、加工器具（ふかし器やプレス機など）の提供により、より付加価値のある商品として販売することで、女性が活躍できる機会を提供しつつ、持続的な収入源の確保に繋げていく意向です。

《プロジェクト2》「カカオの森と生態系を守ろう！」

ガーナでは、世界的に増加するカカオ需要への対応や木材確保のための伐採などにより、森林が減少していることも課題の一つとなっています。本プロジェクトでは、カカオの木の寿命とカカオ豆の生産量に大きく影響を与えるシェードツリー（日陰樹）の植樹を実施し、カカオの森を守るプロジェクトを実施します。

具体的には、成長が早くカカオの木を超える高さになる原種の常緑樹を1～2万本提供し植樹を行います。直射日光のあたるカカオの木は寿命が25～30年程度といわれますが、これらの常緑樹がカカオの木に日陰を作ることで50～80年は収穫できるようになるとされており、カカオの森や生態系を守りつつ、カカオ農家の持続的な生産と収入につながる取り組みを進めていくといいます。