使用済みのコーヒーかすを使った、美しい家庭用品を発表
※この記事は、Sarah Christensen氏のデザインした家庭用品についてご紹介したものです。
Sarah Christensen氏は、使用済みのコーヒーかすを使った家庭用品を発表しました。植木鉢やキャンドルホルダー、ソープディッシュなどのアイテムを展開しています。
コーヒーかすが地球に及ぼす影響
「世界はコーヒーで動いている」と冗談を言う人もいますが、実はそれはある意味、真実とも言えるのです。健康専門家の間では、コーヒー一杯の効果については意見が分かれるかもしれません。しかし、多くの人が、一日を過ごすためにたった一杯でもコーヒーを飲んでいることは否定できないでしょう。
そして残念ながら、コーヒーやコーヒー系飲料の需要の高まりにより、廃棄物という観点で、「私たちの体」以上に「地球」に悪影響が及んでいます。しかし、ありがたいことに、「使用済みのコーヒーかすを使って、美しさと環境への配慮を兼ね備えた家庭用品を作る」というような、コーヒーの環境への悪影響を抑制する方法を見つけようとする創造的な人々もいます。
コーヒーかすが地球に与える影響を軽視するのは、簡単なことです。実際、コーヒーをカップで提供する際に使われるプラスチックなどの素材に比べると、害が少ないように思われることもあるでしょう。しかし、コーヒーかすという有機物は、埋立地において、地球温暖化を促進する温室効果ガスの一つである「メタン」を発生させてしまいます。 人々のコーヒー消費量を考えると、今後状況はさらに悪化していくと考えられるでしょう。
実はコーヒーかすには、使い終わった後でも、まだ多くの価値があるのです。さまざまな香りや味わいが残っているので、他のモノを作るための原料として使うこともできます。コーヒーかすという「廃棄物」を「アート」に変えるには、「やる気」と「創造力」、そして「持続可能な素材の使用」が必要です。
使用済みのコーヒーかすを使った家庭用品
Sarah Christensen氏は、使用済みのコーヒーかすを使った、日常的に使える家庭用品の製作を開始。この素材だけでは固形物を製作するのは困難なため、樹脂系に代わる環境配慮型製品として人気の高い、VOCフリーで無害な「ジェスモナイト」も使用する採用する必要がありました。コーヒーかすをシート状に成型して保存し、その後チップ状に砕きます。これらは、コーヒーかす40%とジェスモナイト60%を混合した「ala terrazzo」の材料になります。
Sarah Christensen氏は、単に日常使いの家庭用品を作っているわけではありません。園芸の趣味やライフスタイルを応援するために、植木鉢を中心にアイテムを展開しています。また、キャンドルホルダーやソープディッシュもあります。これらのアイテムは、持ち主に「ゆっくり、一歩下がって、リラックスして、人生や世界に与える影響について考えてみてください」というメッセージを伝えるためのものです。たとえ、そのメッセージが伝わらなかったとしても、滑らかな表面に「個性」や「面白さ」が加わった製品の「美しさ」は無視できないでしょう。
しかし、話はそれだけにとどまりません。Sarah Christensen氏は、サーキュラーエコノミーにも取り組もうとしています。 例えば、割れた破片は、植木鉢の樽や建物の材料など別のものに利用することができます。こうしてみると、コーヒーは、飲んだ人々が元気になった後も、世界をより良い場所にするために役立っており、世界を動かしていると言えるでしょう。
【参考】THESE BEAUTIFUL HOMEWARE PRODUCTS ARE MADE FROM COFFEE’S BIGGEST WASTE