焚き火はどう後始末する?後始末の基本や注意したいことを紹介

焚き火はどう後始末する?後始末の基本や注意したいことを紹介

焚き火を楽しんだ後は、しっかり後始末する必要があります。「焚き火で出た薪・灰・炭はどう後始末すればよいのか」「すぐに火が消えないときには、どうしたらよいのか」「残った炭・灰は自宅に持ち帰った方がよいのか」など知りたい方も多いでしょう。今回は、焚き火の消火方法や残った灰・炭の後始末をする方法、後始末する際の注意点などを紹介します。

後始末が終わるまでが、焚き火

ゆらゆら揺れる炎をじっと眺めながら、ゆっくりした時間を過ごすのが焚き火の醍醐味ですが、ただ焚き火を楽しむだけではいけません。後片付けが終わるまでが、焚き火です。

キャンプ場で焚き火をし、未使用の薪が残った場合には、その場に放置せず、自宅に持ち帰りましょう。放置した薪が虫やカビに侵されていると、キャンプ場の周囲に感染が広がる可能性があるためです。近くに焚き火をしている方たちがいれば、声をかけ、薪を譲ってもよいでしょう。

消えそうな焚き火

焚き火の灰や炭の後始末をしないと、どうなる?

焚き火の灰や炭の後始末をしなかった場合、以下の3つが懸念されます。

●景観への影響
●環境への影響
●火災の危険

それぞれの懸念点について、見ていきましょう。

景観への影響

まず懸念されるのが、景観への影響です。焚き火で使った炭や灰をその場に放置したままだと、当然のことながら、自然の美しい景観が台無しになってしまいます。次にキャンプ場を利用する人も、後始末が不十分なキャンプ場を見ると、嫌な気持ちになるでしょう。キャンプ場はみんなで使う場所だからこそ、キャンプ場の景観を守るために、そして次のキャンパーのためにも、焚き火をした痕跡を残さないようにしっかりと後始末する必要があります。

環境への影響

焚き火の後始末を怠れば、環境への悪影響も懸念されます。炭には土質を改善するという効能があると言われてはいるものの、キャンパーがみんな炭を土に埋めてしまうと、過剰摂取となり、環境に負荷がかかるためです。自然の中で行うのが楽しい焚き火だからこそ、環境への影響を考え、しっかり後始末する必要があります。

火災の危険

焚き火の灰や炭の後始末が不十分だと、火災が発生する危険があります。多くのキャンプ場は山深い場所にあるため、周辺には燃えやすい落ち葉や小枝があり、樹々が生い茂っています。誰か一人でも焚き火の後始末を怠れば、周囲に火が広がり、山火事という大惨事につながりかねません。実際、焚き火の不始末が原因で、火災が発生したケースもあるようです。

こうした事態が生じないよう、焚き火の灰や炭の後始末はしっかりと行いましょう。

山火事
image by Matt Palmer on Unsplash

火を消すための条件

焚き火の後始末をする際、知っておきたいのが「火を消すための条件」です。「火を消すための条件」は、「火が燃え続けるための条件」の裏返しとなっています。

火が燃え続けるためには、「燃料」「酸素」「熱」の3つが必要です。薪を始めとした「燃料」がマッチの炎や焚き付けにより加熱されることで、可燃性ガスが発生。それが「酸素」と結びつくことで炎となり、炎の「熱」により火が燃え続けます。

逆に、「燃料」「酸素」「熱」の3つのどれか1つでも欠ければ、火は消えるのです。火を消すためには、「燃料」「酸素」「熱」のいずれかを断ちましょう。

焚き火の消火方法

焚き火は、どのように消火すればよいのでしょうか。基本的な消火方法と、すぐに消えない場合の消火方法を紹介します。

【基本】薪を燃やしきり、灰にする

最も理想的な焚き火の終わらせ方は、「薪を燃やしきり、灰にする」ことだとされています。「燃料」である薪が完全燃焼し、灰になれば、それ以上燃えることはないためです。薪が灰になるまでの時間は、薪の種類や焚き火台の構造、当日の天候などに左右されますが、おおよそ「2時間程度」と言われています。そのため、「撤収時間の2時間前」には薪の投入を終えるようにしましょう。

【関連記事】キャンプで焚き火や薪ストーブを楽しむには?薪の種類と選び方や焚き付けのコツなど

灰

【すぐに消えない場合】密封するか、水に浸ける

薪を燃やしきれず、火がすぐに消えない場合には、薪を「密封する」または「水に浸ける」方法で消火します。

火消し壺に薪を入れ、密封する

火消し壺があれば、短時間で消火できます。火消し壺に薪を入れ、密封することで、「酸素」が遮断されるためです。燃えている薪を入れた火消し壺は、非常に高温になります。安易に触ると火傷の原因となるため、素手で触ったり子どもが近づいたりしないよう、十分に注意しましょう。

薪を水に浸ける

まだまだ元気に燃えている薪をすぐに消火したい場合には、薪を水に浸けましょう。そうすることで、「熱」が断たれ、火が消えます。バケツなどに水をたっぷり張り、1~2本ずつ薪を浸けて、消火しましょう。

なお、表面だけサッと水に浸けた状態では、薪の芯はまだ「熱」を帯びています。確実に消火するため、湯気が出なくなるまで水に浸し続けましょう。

火消し壺

残った灰・炭を後始末する方法

焚き火が終わり、残った灰・炭は、「キャンプ場に捨てる」または「自宅に持ち帰る」のいずれかの方法で処理します。残った灰・炭を後始末する方法を見ていきましょう。

【関連記事】焚き火をした後の灰の処理は?安全な処理方法とリサイクル活用術を紹介

キャンプ場の灰・炭捨て場に捨てる

キャンプ場に灰・炭捨て場がある場合には、そこに残った灰・炭を捨てましょう。環境に負荷がかかるため、土に埋めるのは厳禁です。

自宅に灰・炭を持ち帰ることに抵抗がある場合には、事前に灰・炭捨て場のあるキャンプ場を確認し、そちらで焚き火をするとよいでしょう。

灰捨て場
image by ゆきだるま on photoAC

袋に入れて、自宅に持ち帰る

キャンプ場に炭捨て場がない、または「持ち帰り」というルールがあるキャンプ場で焚き火をする場合には、必ず自宅に持ち帰りましょう。持ち帰り方法は、残った灰・炭を袋に入れるだけでOKです。自宅に持ち帰った後は、お住まいの自治体が定めたルールに従い、ゴミ出ししましょう。

なお、炭は完全に消火していても、火を点ければ、また燃えます。直近で焚き火をする予定がある場合には、灰と炭を別々の袋に入れて持ち帰り、炭は後日再利用するとよいでしょう。

アルミホイルを使うと、焚き火の後始末が簡単に!

焚き火の後始末の裏技としてご紹介したいのが、アルミホイルの活用です。調理グッズと思われがちなアルミホイルですが、実は、焚き火の後片付けにも重宝します。

主な活用方法としては、炭を包んで酸素を遮断し、消火するという方法があります。炭を包んだアルミホイルは非常に高温になるため、火傷に注意しましょう。

あらかじめ焚き火台に敷いておくという活用方法もおすすめです。事前に、アルミホイルを敷いておくことで、「灰の汚れ」や「薪から出た樹液」「肉を焼いた後に出る脂、肉汁」などの汚れから、焚き火台を守ることができます。

荷物に余裕があれば、焚き火の後始末や調理に活用できるアルミホイルを持参するとよいでしょう。

アルミホイル
image by Julia Maior on Unsplash

焚き火の後始末をする際の注意点

焚き火の後始末をする際の注意点を紹介します。

火が確実に消えたかを確認する

必ず行わなければならないのが、火が確実に消えたかどうかの確認です。火災が発生することがないよう、確認を怠らないでください。火が消えたかどうか不安な場合には、炭を割り、中を確認する方法をおすすめします。

一気に大量の水をかけない

後始末の際、焚き火台や薪に、一気に大量の水をかけてはいけません。また、水を張ったバケツに、一度に薪を何本も入れることも避けましょう。

一気に大量の水がかかることにより、高温の水蒸気が立ち上がり、火傷の恐れがあります。また、焚き火台がまだ熱いうちに水を大量にかけると、急激な温度変化により、焚き火台が変形する可能性があると言われています。

直火の場合、より慎重に消火する

焚き火を直火でした場合には、火災防止のため、より慎重に消火する必要があります。直火での焚き火が終わり、地面の熱がある程度下がったら、水を少しずつ全体的にかけましょう。また、残った炭や灰は地面の上に残さないようにします。

薪を買うなら、オンラインショップで

後始末の際に薪を燃やし切る必要があるため、薪は必要量だけ用意しておくことをおすすめします。薪は、ホームセンターやオンラインショップなどで購入できます。薪は重いため、自宅まで配送してくれるオンラインショップを利用すると楽でしょう。また、オンラインショップには、少量から大容量まで、季節やニーズに合わせて薪の購入量を調節できるというメリットもあります。

薪の購入でおすすめのオンラインショップのひとつが、信州産カラマツ100%の薪を販売するECサイト「森の中ストア」です。荷物の事前受付を行っているキャンプ場であれば、キャンプ場に直接送付してもらうことができます。キャンプ場への送付を希望する場合には、事前にキャンプ場の了解を得た上で、注文してください。
(参考:森の中ストア「FAQ」)

森の中ストアで販売されている薪は、長さが25cmと35cmから選択可能で、さまざまなギアやシーンで便利に利用できます。

森の中ストアの薪の特長

森の中ストアの薪は、次のような特長があります。

●脱脂乾燥を6日間実施して、安定的に含水率10%前後をキープ
●カラマツの外側にある、高密度部分を利用しているため、一般的な針葉樹の薪よりも火持ちがよい
●きちんと乾燥させているため、着火が容易で火付けに失敗しにくい
●専用の施設で乾燥させているため、自然乾燥の薪と違って保管時に虫が出ない
●建材加工技術を応用しているため、松特有のヤニがつきにくい

また、森の中ストアが取り扱う薪は、建築用の材木の製造過程で、建材として利用できずに通常は廃棄されてしまう部分を使って作られた、環境にも配慮された薪です。森の中ストアの薪を、この機会に是非お試しください。

焚き火の後始末はしっかりしよう!

焚き火の消火方法は、「薪を燃やしきり、灰にする」のが基本です。火がなかなか消えない場合には、薪を「火消し壺に入れ、密封する」または「水に浸ける」という方法で、消火しましょう。残った灰・炭は、キャンプ場の灰・炭捨て場に捨てるか、袋に入れて自宅に持ち帰ります。また、焚き火の後始末をする際には、「火が確実に消えたかを確認する」「一気に大量の水をかけない」といったことに、注意が必要です。今回の記事を参考に、焚き火を楽しんだ後は、後始末をしっかりしましょう。