【初心者向け】焚き火のやり方をステップで紹介。準備するものや薪の選び方
キャンプでは欠かせないツールとなった焚き火。しかし、実際に始めようとすると、必要な道具の準備や焚き火のやり方に戸惑うこともあるでしょう。そこで今回の記事では、焚き火に必要なアイテムや基本的なやり方をステップで紹介します。焚き火初心者の方にも写真付きでわかりやすく解説していますので、焚き火を楽しむ前の参考にしてください。
Contents
意外と難しい焚き火。スマートに楽しむには?
「きちんと焚き付けを用意したのに、薪に火が付かずに消えてしまった」「煙ばかり出て、火が安定しない」「火力が強すぎて、危険を感じた」など、初心者に限らず誰しも一度や二度は焚き火にまつわる失敗を経験しているのではないでしょうか。
このように、「意外と難しい」焚き火を安全かつスマートに楽しむには、どのような準備が必要なのでしょうか。
始める前に確認しておきたい、焚き火準備
焚き火を始める前に、まずは焚き火に最低限必要な道具について見ていきましょう。
焚き火に必要なもの
直火禁止の一般的なキャンプ場を想定した焚き火時の必需品は、以下の7点です。
●焚き火台 ●焚き火シート ●薪 ●革製グローブ ●火ばさみ(トング) ●着火剤/着火用ライター ●火消し壷 |
この他にも、小型の斧(ハンドアックス)やナイフを持っていると、現地での焚き付け作りなどに便利です。以下の記事では、焚き火に必要な道具や選び方をより詳しくご紹介していますので、参考にしてください。
【関連記事】焚き火に必要なもの13選!必需品&あると便利な道具、焚き火の際の注意点などをご紹介
焚き火におすすめの薪の選び方
ここでは、焚き火の必需品である薪の選び方について、踏まえておきたい4つのポイントをご紹介します。
【関連記事】焚き火に使う薪の種類はどれがいい?特徴の一覧や見分け方、購入先を紹介
なるべく乾燥した薪を選ぼう
焚き火には、なるべく乾燥した薪を使うのがポイントです。どのような種類の薪でも、まずは乾燥具合を確認しましょう。割りたての薪には水分が多く含まれているため、このような薪で焚き火をすると、煙ばかりで火が出ない「不完全燃焼」の状態になるほか、強い火力が得られず、火が消えてしまうといったケースが考えられます。
薪の乾燥度合いを確認するポイントとして、
●重さ(水分が抜けると軽くなる)
●色(乾燥が進むと、色が黒っぽくなる)
●ヒビの状態(乾燥した薪は、断面にヒビができる)
●音(薪同士をぶつけた時に、乾燥していると乾いた音が出る)
といった点を確認するとよいでしょう。
針葉樹と広葉樹を使い分けよう
薪には、ナラ・クヌギ・カシなどに代表される「広葉樹」と、スギ・マツ・ヒノキなどの「針葉樹」の2種類の薪があり、それぞれ特徴が異なります。まず、見た目の違いを写真で確認しましょう。
広葉樹の薪は黒っぽく、樹皮も付いたままです。一方、針葉樹の薪は樹皮が赤っぽく、一部剥がれているのがわかります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
樹種 | 広葉樹 | 針葉樹 |
主な種類 | ナラ/クヌギ/カシ/ケヤキ | スギ/ヒノキ/マツ |
特徴 | ・乾燥しても重みがある ・着火しづらい ・一度火が付けば火持ちがよい | ・乾燥すると軽い ・簡単に火がつく ・火力が強い ・火持ちが悪い |
利用したいシーン | ・火力が安定してから ・一定の火力で長く燃やしたいとき | ・焚き付け ・火力を必要とする料理 など |
樹種による特徴の違いを踏まえておくと、スマートに焚き火を楽しめるでしょう。
薪の長さや量はどうする?
薪の長さも安全に焚き火をするには欠かせない要素です。一般的に、焚き火で使う薪は焚き火台の直径に対して5cm~10cmのゆとりを持って選ぶのが目安です。
長すぎる薪は焚き火台からこぼれて、下草や近くにあるものに引火して火事を起こす原因にもなるため、おすすめできません。焚き火台のサイズを踏まえて、薪の長さを検討しましょう。
また、一般的な焚き火台で焚き火を楽しむために、一晩に必要な薪の量は5kg~10kgと言われています。これは夏場などの気候が安定する時期を想定したもので、冬場~春先ならもっと多くの薪が必要になる場合もあるでしょう。事前に用意していく他にも、現地で調達できるかどうかを確認しておくと、安心して焚き火を楽しめるでしょう。
薪は事前に用意しておくと安心
焚き火人気とともに、薪の販売を行うキャンプ場は増えています。しかし、繁忙期には売り切れてしまい、調達できないといったケースも考えられます。そこでおすすめしたいのは、薪のオンライン購入です。「森の中ストア」では、長野県産のカラマツ100%で作った薪を扱っています。森の中ストアの薪は、人工乾燥させるため、含水率が15%以下としっかりと乾燥した薪になります。そのため、焚き火にありがちな「なかなか火が付かない」といったことが少なく、スムーズに焚き火を楽しめるでしょう。
森の中ストアでは、シーンに合わせて25cmと35cmの2種類から薪のサイズを選択可能です。
焚き火台を使った、焚き火のやり方
焚き火の必需品を用意したら、焚き火のやり方を確認しましょう。キャンプ場で行う焚き火は、直火で行う場合と、焚き火台を利用する場合があります。ここでは、焚き火台を使った一般的な焚き火のやり方を解説していきます。
<ステップ1>焚き火台に焚き付けと薪を組む
まずは、焚き火台に薪と焚き付けを組み上げる作業です。焚き火台の中央に、下から「着火剤」「木屑(樹皮や松ぼっくり等でも可)」「焚き付け用の薪」「やや太めの薪」を順に組んでいきます。その際、はじめに太い薪を1本寝かせるように置き、その薪に立てかけるよう、焚き付け用の薪を組んでいくと、下から上に向かう空気の通り道が上手に作れます。
火を上手に燃やすには、空気を持続的に供給することが重要です。薪をピラミッド状に組むことで、新鮮な空気を常に補給できます。ただし、火を大きくするには熱も必要であるため、薪と薪の間隔を開けすぎないようにしましょう。適度な間隔を開けることで、着火がスムーズになります。
着火剤なしでも焚き火できる?代用できるものは
焚き火を楽しむ方の中には、着火剤をなるべく使わず自然のものだけで楽しみたいとお考えの方もいるでしょう。また、着火剤を忘れてしまうこともあるかもしれません。着火剤は焚き付け時に火を安定させるために便利なものですが、現地で調達できるもので代用する場合には、次のようなものを使うことができるようです。
●松ぼっくり
●スギの枯れ葉
●小枝
●樹皮(自然に剥がれ落ちたもの。木を傷めるのはマナー違反です)
どれも、よく乾いているかを確認してから利用しましょう。このほか、麻の紐や乾燥させたミカンの皮、ポテトチップスなどを使うという方もいるようです。着火剤なしの焚き付けに、あえて挑戦してみるのも面白そうですね。
<ステップ2>焚き付けに着火する
続いて、焚き付けに点火します。着火ライターなどを使い、一箇所からだけでなく、複数の方向から行いましょう。着火剤から焚き付けの木屑や樹皮、薪へと徐々に火が育っていくのを焦らずに見守るのがポイントです。
ポイントは慌てて扇いだり薪を足したりしないこと
焚き火で最も難しいのが、着火時の火の扱いと言われています。むやみに薪を追加したり、火の勢いを強めようとうちわなどで風を送ったりすると、逆に熱が逃げ、薪に引火する前に火が消えてしまう原因になります。着火したら、焦らずじっくりと火が育つ様子を見守りましょう。
<ステップ3>火力が安定したら薪を足す
太い薪に火が回ったら、薪を継ぎ足すタイミングです。最初に着火した薪が安定的に燃えているため、ある程度太い薪を追加しても簡単に火が消えることはないでしょう。薪を追加する際も、すでにくべられている薪を支えにして、添えるようにすると空気の通りがよく、燃えやすくなります。
薪を追加する際は、焚き火料理を楽しみたいときや冬場で火力が欲しい場合は「針葉樹の薪」を、長くじっくりと焚き火を楽しみたいときは「広葉樹の薪」を使うのがおすすめです。また、樹皮を下にしてくべると、火が付きやすいでしょう。
<ステップ4>焚き火の後始末
最後は、焚き火の後始末をしましょう。最もよいのは、薪を完全に燃やし、灰にしてしまうことです。ただし、薪を完全に燃やし切るには、ある程度の時間が必要です。完全に消火するまで待てない場合は、前述の火消し壺が役立つでしょう。
焚き火の後始末については、以下の記事が参考になります。
【関連記事】焚き火はどう後始末する?後始末の基本や注意したいことを紹介
焚き火を楽しむための注意点
野外で焚き火を行う際に、安全に楽しむために押さえておきたい注意点をご紹介します。
焚き火の場所選びは慎重に
焚き火を行う場所は、慎重に選びましょう。風向きや風速によっては、テントや木立に火の粉が飛んで火事の原因になるといった危険もあるためです。焚き火台はテントや木立から3m以上の距離を取るのが目安です。
衣類やギアへの引火に注意
衣類やチェアなどの椅子への引火にも注意が必要です。ナイロン素材の衣類は熱に弱く、火の粉が飛んで穴があいたり、溶けた繊維による火傷のリスクが高まります。綿素材や難燃加工が施された衣類・ギアを用意すると安心です。
就寝時は必ず消火を
就寝時は確実に消火することも重要です。焚き火に火が残ったまま就寝してしまい、風向きや風の強さが変わって火事が起きれば、大惨事に繋がります。就寝時など長時間目を離す前には、火消し壺などを活用し、確実に火を消しましょう。
マナーを守り、安全に焚き火を楽しもう
慌ただしい日常を離れ、野外でゆっくりと炎を眺めて過ごす時間に憧れを抱く人は多いのではないでしょうか。しかし、慣れていないと焚き火は予想外に難しいもの。「想像通りに火が付かない」といったトラブルを避けるためには、焚き火のやり方をしっかり理解しておくことがポイントです。今回の記事を参考に、焚き火に必要なアイテムや焚き火の基本的な方法・注意点を踏まえて、安全かつスマートに焚き火を楽しめるとよいですね。