環境に配慮した商品一覧をご紹介!目印となるマークの意味や企業の取り組みも

環境に配慮した商品一覧をご紹介!目印となるマークの意味や企業の取り組みも

環境に配慮した商品を購入する際に、何を見て選ぶべきか迷う人もいるでしょう。この記事では、「環境に配慮した商品」とは何か、選ぶときの判断基準となる認証マーク、環境配慮型商品を提供している企業の具体例などをご紹介します。買い物の際にぜひ参考にしてみてください。

環境に配慮した商品を選ぶことは未来の地球を守ることにつながる

近年、地球温暖化や海洋汚染などの環境問題は深刻化しており、私たち一人ひとりが行動を起こすことが求められています。その中でも、日々の買い物で「環境に配慮した商品」を選ぶことは、未来の地球を守るためにできる重要なアクションの一つです。

「環境に配慮した商品」とは、限りある資源を次の世代に引き継ぐために、自然環境や経済に配慮した商品やサービスのこと。例えば、リサイクル素材を使用した商品、省エネ性能の高い商品、有機栽培の食品などがあります。これらの商品を選ぶことは、資源の枯渇や環境汚染を防ぎ、SDGsにもつながるサステナブルな社会を実現するための行動ともいえるでしょう。

環境に配慮した商品の目印となる「マーク」の一覧

出典:消費者庁『みんなの未来にエシカル消費』9ページから抜粋

環境に配慮した商品の選び方で目印となるのが、「マーク(環境ラベル)」です。国や第三者機関、事業者団体などが「環境に配慮していると認めた商品・サービス」に付与するもので、自治体独自のマークや、海外で導入されているマークもあります。買い物のときに、どのようなマークがついているか探してみましょう。次のマークは、一例です。

マーク(ラベル)    内容
MSC認証海洋管理協議会(Marine Stewardship Council)による認証で、「海のエコラベル」と呼ばれる。「資源の持続可能性」「漁業が生態系に与える影響」「漁業の管理システム」の、3つの原則を満たした水産物に認められる。
FSC®︎認証森林管理協議会(Forest Stewardship Council®)による認証。森の動植物や地域住民に配慮し、適切に管理した森林の木材またはその木材を利用した製品であることを表す。森林の管理を認証する「FM認証」と、加工・流通の管理を認証する「CoC認証」の2つがある
SGEC森林認証持続可能に管理された森林から伐採された木材であると証明するもの。対象は、紙商品、木材を使用した製品、山菜・きのこ・樹液など森林で産出される非木材製品も含む。FSCと同様に、森林管理(FM)認証と、加工・流通を認証する「CoC」がある。
エコマーク商品の生産から廃棄・リサイクルまでの工程で、環境負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品を認定する。対象は多岐にわたっており、認定基準は商品の種類ごとに異なる。物だけでなく、ホテルや飲食店などの「サービス」もエコマークの対象。
国際フェアトレード認証原材料の生産から商品が完成するまでの各工程で、開発途上国と公平・公正な貿易を行う「国際フェアトレード基準」が守られている商品であることを証明する。認証の基準は多岐にわたるが、「社会」「環境」「経済」の3つが共通の原則となっている。
レインフォレスト・アライアンス認証農園の労働環境や生態系の保護など、持続可能な農業を推進するための制度。生産環境の保全や労働者の人権尊重など、基準をクリアした農園に与えられる。国際フェアトレード認証と同様に、「社会」「環境」「経済」の3つを基本としている。
グリーンマーク紙のリサイクル促進を目的としており、製品の原材料に、規定の割合以上の古紙を利用していることを示す。対象はトイレットペーパー・コピー用紙・ノートなど紙・紙製品のほか、建築用断熱素材に使われるセルローズファイバーやペット用の敷料など、紙以外の製品もマーク表示の対象となる。
参考:環境省『環境ラベル等データベース

【カテゴリ別】環境に配慮した商品の販売企業と具体例

image by Kiyoshi on Unsplash

ここでは、環境に配慮した商品を販売している企業の、具体的な商品事例を紹介します。

食品

環境に配慮しながら生産された食品を取り扱っている企業の一例を紹介します。

紅鮭・炙りたらこなどの手巻きおにぎり|イオン株式会社

イオン株式会社は、MSC認証、FSC®認証、SQF認証、RSPO認証など、各種認証商品を販売しています。プライベートブランドの「トップバリュ」でも、環境に配慮した商品を展開。一例として「手巻おにぎり」では、シーチキン®・紅鮭・炙りたらこ・辛子明太子の4種について、MSC認証がついた水産物を使用しています。

明治 ザ・チョコレート|株式会社明治

株式会社明治の「明治 ザ・チョコレート(meiji THE Chocolate)」は、農家支援を実施した地域で生産されたカカオ豆を原材料に使用しています。同社は持続可能なカカオ豆生産の実現に貢献するため、2006年にカカオ農家を支援する「メイジ・カカオ・サポート」を開始。「明治 ザ・チョコレート」では、産地のベネズエラ・ブラジル・ペルー・ドミニカの4カ国について、2026年度までの支援目標を設定しました。社員がカカオ豆の産地に赴き、栽培技術の指導、生活インフラ整備、苗木の配布、学校教育の支援など、現地のニーズに合わせた支援活動を行っています。

ハウスブレンドなどのコーヒー豆|スターバックス コーヒージャパン株式会社

スターバックスは、コーヒー豆の持続可能な調達と生産者の生活向上を目指し、独自の認証プログラム「C.A.F.E.プラクティス」を導入しています。世界のコーヒー豆の約5%を購入しているスターバックスが、コーヒー豆の生産環境や経済面をはじめ、コーヒーの栽培から加工まで責任を持つための取り組みです。現在、常時販売しているコーヒー豆のパッケージには、C.A.F.E.プラクティス認証を示す「エシカルソーシングスタンプ」が記載されています。

日用品・雑貨

環境に配慮してつくられた日用品や雑貨などを、商品として提供している企業もあります。

ヤシノミ®︎洗剤|サラヤ株式会社

サラヤ株式会社が、環境に配慮した洗剤として製造・販売している商品の一つに「ヤシノミ洗剤」があります。ヤシの実由来の植物性洗浄成分を使用しているため、手肌に優しく、高い生分解性で環境負荷が小さいのが特徴です。環境への配慮から、詰め替え用パウチも販売されています。また、同社は商品をつくる企業の責任として、ヤシノミ洗剤を始めとするパーム油関連ブランドの売り上げの一部を、ボルネオ島(マレーシア)の環境保全活動に使用しています。

竹材ストロー|無印良品(株式会社良品計画)

無印良品では、「竹材のストロー」を販売しています。竹は生長が早いため、短期間に多くの資源を生産できることから、同社は家具や雑貨に竹材を活用して森林資源の保護につなげています。竹材ストローは、紙製ストローよりも耐水性が高いためふやけにくく、最後まで口当たりよく使えるというメリットがあります。原料が竹とでんぷんのため、プラスチック製と異なり可燃ごみとして処分できるのも、竹材ならではでしょう。

信州産カラマツ薪|齋藤木材工業株式会社

長野県にある齋藤木材工業株式会社は、県内に豊富にある信州産カラマツ材を中心とした集成材の製造・販売を行っています。同社は地域材にこだわった事業を展開しており、2011年にFSC認証、2016年にSGECとCoC認証を取得しました。また、製材工程で発生した木屑をバイオマスボイラーの熱源として利用するほか、集成材として使用できない端材を「信州産カラマツ薪」に加工して販売するなど、地域材を余すことなく有効活用しています。

「信州産カラマツ薪」は、建築資材と同じように人工乾燥させています。そのため煙が少なく、着火が簡単で、虫が出にくいのが特徴です。キャンプの焚火や薪ストーブなどで薪を購入する際は、環境に配慮して扱いやすい薪を選んでみてはいかがでしょうか。

衣類

身に着けることで環境保全に貢献できる、衣類分野の商品もあります。

オーガニックコットンシリーズ|People Tree(フェアトレードカンパニー株式会社)

30年以上サステナブルに取り組んでいるフェアトレードカンパニー株式会社の、フェアトレード専門ブランドである「People Tree」。同ブランドアイテムの多くは有機農法で栽培された「オーガニックコットン」を使用しており、生産者の健康や生活、自然環境への影響などを考慮したものとなっています。

ヨゾラ 2ウェイバッグ ワーキング|株式会社マザーハウス

株式会社マザーハウスは、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」 という理念で事業をスタート。素材開発から顧客に届けるまでを自社で行っており、現地特有のレザー、カラーストーン、手紡ぎ・手織りの生地など、それぞれの国に合う素材や生産方法で商品づくりを展開しています。代表的な商品の一つ「ヨゾラ 2ウェイバッグ ワーキング」は、バングラデシュで生産しており、購入後の修理やケアサービスもあるため、長く使うことが可能です。

Flyleather スニーカー|NIKE(株式会社ナイキジャパン)

スポーツブランドのNIKEが開発した「Flyleather(フライレザー)」は、素材の50%以上が、製造工程で廃棄予定だったレザー繊維をリサイクルした新素材です。ごみの廃棄量を削減することに加えて、従来のレザー製造と比較して水の使用量を90%削減し、カーボンフットプリントは80%削減することが可能です。Flyletherを使用したスニーカーは、従来のレザースニーカーと比較して40%の軽量化と高い耐摩耗性を持つ、高性能のシューズとなっています。そのため、環境に配慮しながらも、高性能なスニーカーを求める顧客におすすめです。

文房具

文房具を製造・販売している企業にも、環境に配慮している商品があります。

ReEDEN(リエデン)|コクヨ株式会社

コクヨ株式会社の「ReEDEN(リエデン)」は、琵琶湖のヨシ(葦)を活用したシリーズです。琵琶湖の水環境や生態系、CO2削減にも重要なヨシ(葦)原を守るために、同社の主力工場であるコクヨ工業滋賀は、琵琶湖の環境を守るため、2007年に「ReEDEN Project」をスタートしました。ReEDENブランドで、琵琶湖畔のヨシを原材料にしたノートや、琵琶湖モチーフの雑貨など、さまざまな商品を展開。滋賀県らしい雑貨の「びわこ文具」シリーズは、お土産品としても人気です。

ジェットストリーム 海洋プラスチック|三菱鉛筆株式会社

大手筆記用具メーカーの三菱鉛筆株式会社は、環境に優しいボールペン『ジェットストリーム 海洋プラスチック』を販売しています。商品本体の軸材には、国内で回収された海洋プラスチックごみと、コンタクトレンズ専門店の店頭や学校・企業・自治体などで回収した、使い捨てコンタクトレンズの空きケースを使用しました。この商品は、文具業界で初めて、環境に配慮してつくられた商品の目印となる「エコマーク」の商品類型No.164「海洋プラスチックごみを再生利用した製品」の認定を取得しています。

おやさいクレヨン|mizuiro株式会社

mizuiro株式会社の「おやさいクレヨン」は、廃棄予定だったお米と野菜を有効活用しています。端材や規格外など廃棄されるはずだった野菜を、微粉末にしてクレヨンに配合。油脂原料には国産米の米ぬかをアップサイクルした「米油」を使用しており、環境に優しいと同時に、小さな子どもが誤って口に入れても安全なクレヨンを実現しました。

環境に配慮した商品を選ぶことから始めよう

環境問題は、身近なところから取り組むことが可能です。私たちが普段の買い物で環境に配慮した商品やサービスを選ぶことは、商品の企業やメーカーを通して、間接的に環境に配慮しているといえます。限りある資源を次世代につなぐために、認証マークを見て商品を選ぶことから始めてみませんか。