木造の耐震・耐火シェルター「グラセーフ」が内閣官房『国土強靱化 民間の取組事例集』に掲載

木造の耐震・耐火シェルター「グラセーフ」が内閣官房『国土強靱化 民間の取組事例集』に掲載

株式会社アサノ不燃は2022年5月10日、同社が開発、販売する木造の耐震・耐火シェルター「グラセーフ」が、大規模自然災害から人命を守り、迅速に回復する国土を構築するための先導的な取組を収集した内閣官房『国土強靱化 民間の取組事例集(令和4年4月)』に選定・掲載されたと発表しました。同製品は間伐材からできたLVL(単盤積層材)を使用した耐火木材を使用しているなど、サステナブルなアイテムだということです。

耐震・耐火シェルター

耐震・耐火シェルター「グラセーフ」の特徴

アサノ不燃は、木材を不燃化する特許技術を世界に先駆けて取得し、ISO基準による1時間の耐火を確保した耐火木材を開発しました。この耐火木材を使用した製品が、木造で地震や火災にも強い防災シェルター「グラセーフ」で、リサイクル可能な耐火木材には間伐材を使ったLVL(単盤積層材)が使用されています。燃焼によるCO₂発生を抑制する特徴も持ち合わせており、脱炭素社会の実現にも貢献します。

グラセーフの耐震性

同社は近年の3つの大地震における、実際の地震波を再現した耐震・振動試験(国立研究開発法人 土木研究所)を実施。三次元大型振動台の底盤と「グラセーフ」の屋根部に加速度変換機を固定し、振動中の加速度データを収録した結果、加振台と「グラセーフ」の変位波形の相関関係が類似しており、亀裂や損傷もないことが実証されました。

耐震性の調査グラフ

グラセーフの耐火性

ISO基準に則った耐火構造物試験では、1時間1,000℃の加熱試験で外部温度が1,000℃に達しても、室内温度は外気温に対して最大4℃程度の上昇でした。さらに、外部の表面材である耐火LVL(50mm)が黒く炭化するのみで、耐震構造部材は影響を受けないことが確認されました。

耐火性能試験の温度変化グラフ

グラセーフの不燃性

木材にホウ酸などを用いた「不燃処理液」を特殊技術により含浸することで 、火があたっても炎を出して延焼することなく、煙や有毒なガスの発生を抑えることが可能(※特許取得済)。このホウ酸の効果により、防腐・防蟻・防カビ性も備えています。さらに、グラセーフ自体が周辺への延焼を防止することで、木造住宅の密集エリアで想定される大規模火災を防ぐことができるとしています。

不燃性調査で使用したホウ酸など

グラセーフの概要

グラセーフの概要については以下の通りです。

【施工・設置】
●木造家屋内1階に設置(建物の外でも対応可)。自宅に居住したまま、施工・設置が可能です。
●既存の部屋の床を撤去し、家と分離して設置するため、地震時には木造家屋の強度には影響しません。

【製品仕様】 ※セミオーダーのため基本仕様
外部寸法:幅2,900×奥行2,155×高さ2,315mm
内部寸法:幅2,570×奥行1,820×高さ2,010mm
本体重量:約2.5~3.0t

【参考価格】
250万円より
※セミオーダー。運搬・組立・内装・設置工事費は別途