薪の保管方法。適切な保管場所やおすすめ薪棚、ベランダでの保管は?

薪の保管方法。適切な保管場所やおすすめ薪棚、ベランダでの保管は?

薪ストーブの利用に備えて薪を用意したい場合や、キャンプで焚き火を楽しみたいといった理由から、自宅に薪の保管スペースを設置しようと考えている方もいるでしょう。薪の適切な保管方法を知ることで、薪の乾燥を促進させ、害虫などの被害から薪を守ることができます。今回の記事では、薪の保管方法や保管時に気をつけたいことを解説します。薪棚やケースなど、薪の保管方法のアイデアも合わせて紹介しています。

薪の保管方法で最重要なのは、乾燥させること

薪は、生木を割ってすぐの状態では燃えにくいため、一定期間乾燥させてから利用するのが鉄則です。水分の多い薪は火付きが悪いばかりか、火が付いても煙が多く温度が上がらず、ススが多くなってしまうといったデメリットもあります。そのため、薪は保管しながら乾燥させるのが、最も重要です。

薪は含水率20%前後まで乾燥させよう

薪の水分は、「含水率」で測定します。切り倒したばかりの木の含水率は、50%前後あると言われています。薪として利用するには、これを20%以下まで乾燥させるのが理想的です。含水率は目視では確認できないため、市販のチェッカーを用意するとよいでしょう。

多湿な環境ではカビやゴキブリ・シロアリの温床に

薪の保管方法を考えるには、多湿な環境で薪がどのようになるかも踏まえておくことが重要です。薪を雨ざらしの場所や地面などの多湿な環境で長期間保管していると、ゴキブリやシロアリなどの害虫の住処になってしまいます。虫が住み着いた薪は密度が低くなり、すぐに燃え尽きてしまうといったデメリットも考えられます。適切に乾燥させておくことで、これらの被害を防ぎ、燃焼効率のよい薪に育てることができるのです。

乾燥を促進させる薪の保管場所と保管方法とは

薪の乾燥を進めるには、保管場所や保管方法を工夫することが大切です。具体的には、以下のような工夫が挙げられます。

●日当たりと風通しのよい場所で保管する
●地面に直置きせず、底上げする
●風通しを考えて薪を積む

それぞれ見ていきましょう。

薪の保管は日当たり・風通しのよい場所で

乾燥を促すために、薪は日当たりや風通しのよい場所で保管するのがベストです。北側や建物の影になる場所は湿気も溜まりやすく、薪の保管には適していません。薪の保管スペースを決めるときは、立地条件や周囲の環境、方角などを考慮しながら、日当たりや風通しのよい場所を選びましょう。

なお、保管スペースが限られている場合でも、屋内で薪を保管することは湿気や害虫対策といった観点からもおすすめできません。ベランダなどの屋外で保管する工夫を以下で紹介していますので、参考にしてください。

地面に直接置くのはNG。必ず底上げしよう

保管方法として、薪を地面に直接置かないことも大切です。特に土の上に直置きしておくと、湿気が溜まりカビや虫、腐食の原因になります。底上げすることで、下からも風が通り乾燥が進みやすくなります。薪棚を用意するなどして、地面の上に薪を直接置かないように工夫しましょう。

薪を積むときは風通しを考慮しよう

薪の積み方に工夫することでより乾燥を促すことができます。薪の積み方にはいくつかの方法がありますが、薪を格段交互に組んでいく「井桁組み」が最も風通しがよく乾燥が進みやすいとされています。

積み上げた薪

しかし、井桁積みはデッドスペースが生まれ、保管に多くのスペースが必要になることや、崩れないようにバランスよく積み上げるのが難しいため、大量の薪を保管したい場合には適していません。限られたスペースで薪を保管する場合は、皮を下にして同一方向に積むと多くの薪を保管でき、乾燥が進みやすくなると言われています。

薪の保管に雨ざらしの場所は大丈夫?

薪の保管場所として、屋根のない雨ざらしの場所は適当なのでしょうか。本来、薪は保管と同時に乾燥させる必要があるため、常時雨ざらしにしておくのは避けるべきです。しかし、一から自分で薪を作る場合、薪割りをしてすぐの時期は薪棚に積まず、雨ざらしにすることで樹脂が流れ、乾燥が早まるという効果が期待できます。

割ってすぐには雨ざらしにしておき、ある程度乾燥が進んできた薪や購入した薪は、屋根付きの場所や薪棚に移すとよいでしょう。

【関連記事】薪の乾燥方法とは?最適な期間や保管の仕方、乾燥度の見分け方も解説 

【アイデア紹介】薪の保管に最適な薪棚とは

一度に多くの薪を保管するために、薪棚を用意しようと考えている方も多いでしょう。薪棚は、市販されているものを活用する方法の他、DIYすることもできます。それぞれのアイデアをご紹介します。

市販品を使った薪棚例

こちらは、市販品を活用した薪棚です。屋根を自作で追加して雨ざらしになりにくい工夫がされています。

DIYで作った薪棚例

こちらは、DIYで製作された薪棚です。ホームセンターで手に入る材木などを利用しており、2段組になっています。2段にすることで乾燥の進み具合が異なる薪の保管場所を変えたり、樹種によってゾーニングしたりできるでしょう。

DIYの薪棚

マンションのベランダで薪を保管する方法

マンション住まいの場合、薪は唯一の屋外であるベランダで保管することが多いのではないでしょうか。保管スペースや薪の移動など、マンションで薪を保管するにはさまざまな課題をクリアする必要があります。マンションで薪を保管するアイデアをご紹介します。

ラックを使う方法

ある程度の量の薪を保管したい場合は、ラックを薪棚として活用することもできます。ラックを使った薪の保管アイデアには、以下のようなものがあります。

少量なら農業用コンテナが便利

キャンプで使った薪が余ったなど、少量の薪を保管しておく場合に便利なのが、農業用のコンテナです。農業用コンテナはプラスチック製ながら頑丈な造りで、重さのあるものの収納に適しています。メッシュ構造になっているため通気性にも優れており、薪を入れておいても湿気が溜まりづらいという特徴があります。取手があるので持ち運びもしやすく、重ねられるため、省スペース化につながります。

キャンプ時の一時的な保管や薪置き用には市販のキャリーケースが便利

薪を持ち運んだり一時的に保管したりしたいときに便利なのが、ログキャリー(ケース)です。一度に運べる薪の量が増えるうえに、木屑も散らかりづらく車内や室内を汚さずに薪を運べるのがログキャリーの利点。キャリーは、袋または箱状になるタイプとスタンドとセットで使うタイプがあります。

袋状のログキャリー

袋状になるログキャリーは、これ1つで持ち運びだけでなく、そのまま保管できるのが利点です。

スタンドと一緒に使うログキャリー

薪を運ぶ時は布で包んで運び、キャンプ場ではスタンドとセットで薪置きとして使います。

薪の購入はオンラインショップが便利

薪の適切な保管方法がわかると、自宅での保管方法に不安がなくなり「キャンプに備えて薪を購入したい」と感じる方もいるでしょう。キャンプ人気を背景に、薪を取り扱う店が増えています。中でも、重さのある薪の購入は、自宅に配送してくれるオンラインショップが便利です。オンラインショップなら、少量から大容量まで、シーンやニーズに合わせて薪の購入量を調節できるというメリットもあります。

薪の購入でおすすめのオンラインショップのひとつが、信州産カラマツ100%の薪を販売するECサイト「森の中ストア」です。

森の中ストアで販売されている薪は、長さが25cmと35cmから選択可能で、さまざまなギアやシーンで便利に利用できます。

森の中ストアの薪の特長

森の中ストアの薪は、次のような特長があります。

●脱脂乾燥を6日間実施して、安定的に含水率10%前後をキープ
●カラマツの外側にある、高密度部分を利用しているため、一般的な針葉樹薪よりも火持ちがよい
●きちんと乾燥させているため、着火が容易で火付けに失敗しにくい
●専用の施設で乾燥させているため、自然乾燥薪と違って保管時に虫が出ない
●建材加工技術を応用しているため、松特有のヤニがつきにくい

また、森の中ストアが取り扱う薪は、建築用の材木の製造過程で、建材として利用できずに通常は廃棄されてしまう部分を使って作られた、環境にも配慮された薪です。森の中ストアの薪を、この機会に是非お試しください。