薪の作り方やコツを紹介。薪に適した木や必要な道具の選び方とは?

薪の作り方やコツを紹介。薪に適した木や必要な道具の選び方とは?

近年は、キャンプでの焚き火や薪ストーブ・暖炉での使用など、薪を使用するシーンが増えています。自分で薪を作れば、薪代の節約になるだけでなく、薪づくりを趣味の時間として楽しむこともできるでしょう。そこで本記事では、薪の作り方や薪割りのコツ、薪に適した木や薪づくりに必要な道具などについて紹介します。

薪の作り方

「薪を自分で作りたいけれど、作り方がわからない」「薪を自作するのは大変そう」などと考える人もいるのではないでしょうか。薪を作る場合、全工程を自分で行うケースもありますが、「玉切りしてある木を入手し、薪割りから乾燥までの工程を行う」「あらかじめサイズカットされた木を入手し乾燥のみを行う」など、工程の一部のみを行うケースもあります。

ここでは、薪を一から自作するための基本的な手順を解説します。

<手順1>薪に適した原木を用意する

原木
image by Dan Smedley on Unsplash

まずは、薪に適した原木を用意します。原木の主な入手方法は以下の通りです。

・自分で立木を切る、または拾う
・自治体や団体などでもらう
・ホームセンターや通販、森林組合などで購入する

原則、自分で立木を切る、倒木を拾うといった行為は、自分の所有地内に限られます。所有地外で無断で伐採するといった行為は違法となるケースもあるため注意しましょう。

このほかの入手先として、「自治体」や「造園業者」「製材所」などが挙げられます。自治体は環境整備などを目的として、伐採した木を無料で配布してくれる場合があるでしょう。

造園業者や製材所では、タイミングが合えば不要な木を譲ってくれるケースもあるので確認してみるとよさそうです。

また、薪に使用する木は「針葉樹」「広葉樹」に大別できます。樹種により特徴は異なるため、使用シーンで使い分けるのがおすすめです。薪に使う木の種類と特徴を見てみましょう。

【関連記事】薪拾いはどこでする?違法にならない場所や方法、コツについて

針葉樹:火がつきやすく、焚き付けに向いている

代表的な針葉樹には、スギやヒノキ、マツなどがあります。針葉樹は樹液が多いため火がつきやすく、焚き付け用に向いています。また、火力が強いため、煮込み料理などキャンプ飯を作る場合にもおすすめです。木の密度が小さいため、薪割りがしやすいという特徴もあります。

広葉樹:火持ちがよく、長時間の焚き火に向いている

代表的な広葉樹には、ナラ・クヌギ・カシなどがあります。広葉樹は、針葉樹に比べて木の密度が大きいため火付きが悪いです。しかし、一度燃えると火持ちがよく火力も安定するため、長時間の焚き火に向いています。まずは針葉樹で焚き付けてから広葉樹を使用すると、長く焚き火を楽しめるでしょう。

【関連記事】焚き火に使う薪の種類はどれがいい?特徴の一覧や見分け方、購入先を紹介

<手順2>玉切りをする

原木が用意できたら、薪割りの前工程である、玉切りを行います。原木を用途に応じた長さに切断し、丸太にしましょう。

丸太

丸太の長さは、焚き火台や薪ストーブなど、使用する道具に合わせるのが重要です。焚き火台で使用する丸太の長さは、大きい焚き火台では30〜40cm程度、ソロ用では一回り短めの25~30cm程度がよいでしょう。

薪ストーブで使用する丸太の長さは、小型の薪ストーブでは30~35cm程度、中型や大型の薪ストーブでは35~45cm程度が目安です。あらかじめ原木に必要な長さが分かるように印を付けてから、チェーンソーやのこぎりを使って原木を切りましょう。

長く重い原木は、片面に切り込みを入れて、原木を回しながら切り進めることで楽に玉切りを行えます。また、効率的に玉切りを行うために、原木を乗せる「玉切り用の台(玉切用馬)」を用意するのもおすすめです。

<手順3>薪割りをする

次に、斧や薪割り機などを用いて薪割りをします。斧の刃先を保護するため、また、薪割りを楽に行うためにも、必ず薪割り台を用意しましょう。斧を使った薪割りの手順は以下の通りです。

薪割り
1.薪割り台の上に丸太を置く
2.足を肩幅に開き、体と丸太が一直線になるよう丸太の正面に立つ
3.丸太の先端に斧の刃がくるよう斧の柄の持ち方を調整し、斧を頭上に振り上げてから垂直に丸太へ向かって振り下ろす              
4.1から3の作業を、丸太が割れるまで何度も繰り返す

薪は、用途に応じて3種類の太さを用意するのがおすすめです。焚き付け用には「細い薪(直径2cm程度)」、火力の調整用には「中くらいの薪(直径5cm程度)」、長時間の焚き火には「太い薪(直径10cm程度)」を用意しましょう。

<手順4>薪を乾燥させる

薪割りの作業が終わったら、必ず薪を乾燥させましょう。薪を乾燥させる際は、風通しの良い場所に保管するのがポイント。薪は井桁状に組むなど、風の通り道を作るための工夫をするとよいでしょう。また、湿気を避けるために、地面から離して積むことも大切です。

乾燥させる場所は、屋根のついた薪棚などの小屋がおすすめ。薪棚がない場合は、ベランダにラックなどを設置して対応することも可能です。雨に当たらない場所で、薪をしっかり乾燥させましょう。

薪棚

薪は、乾燥が不十分だと「大量の煙が出る」「燃焼効率が悪くなる」といった問題が発生します。また、不完全燃焼を起こして一酸化炭素中毒になる危険性もあるため注意が必要です。

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薪を作る際に必要な道具と選び方

薪を作る際、一般的に必要となる道具とその用途、選び方について紹介します。

道具用途おすすめの選び方
チェーンソー玉切りをするための道具・エンジン式はパワーがあり、太い木を切れる
・騒音が気になる場合は、電源コード式がおすすめ。ただし、電源がない場所では使用できない
丸太割りをするための道具・ヘッドの重さは、軽すぎると割れず、重すぎると思うように命中しにくい。2~3kg程度の洋斧がおすすめ
薪割り台薪割り時に丸太の下に置き丸太を安定させるための道具・自作する場合は広葉樹の丸太を輪切りにしたもので、なるべく太くて安定感のある丸太を選ぶ
・市販されている、鉄製の薪割り台でもよい
薪棚薪を収納するための棚・屋根付きのものを選ぶ
・DIYするのもおすすめ
のこぎり大きめの枝を切るための道具・持ち運びしやすく収納しやすい、折りたたみ式が便利

斧の代わりに「ハンマー」と「楔(くさび)」を使って、薪割りをすることもできます。「楔」は円錐または角錐の形をした道具で、とがった先端を薪に当て、ハンマーで打ち込み薪を割ります。斧のように大きな動作が必要なく、軽い力で安全に薪割りができます。

このほか、太い薪を細く割り、焚き付け用の薪を作る際に使用する「ハチェット」「ナイフ」、ケガの防止に「手袋」「安全靴」なども用意しておくと安心です。

薪割りの際に知っておきたいコツやポイント

ここからは、薪づくりの工程の一つである「薪割り」で、押さえておきたいコツやポイントを紹介します。

<薪割りのコツ1>原木を入手したら早めに薪割りをする

薪割りは、原木を入手したら早めに行うことがポイントです。なぜなら、少し水分を含んだ木の方が、木が割れやすく、作業がしやすいためです。古い原木の場合は乾燥は進んでいるものの、薪割り自体は大変になることを知っておくとよいでしょう。

<薪割りのコツ2>丸太が割れにくい場合は楔(くさび)を使う

節がある、硬いなど丸太が割れにくい場合は、楔(くさび)を使うのがおすすめです。丸太の左右に楔を打ち込むことで、丸太が割れやすくなります。斧やハンマーの頭で、交互に楔を打ち込むとよいでしょう。

また、楔を使わない方法として、割りにくい丸太の中心を避け、端を狙って割る方法もあります

通販サイトでの購入なら質の高い薪を簡単に用意できる

ここまで薪の作り方を紹介してきましたが、薪づくりには多くの労力や手間がかかります。質の高い薪を簡単に手に入れたければ、通販サイトでの購入がおすすめです。

長野県の齋藤木材工業株式会社が運営する「森の中ストア」では、長野県産のカラマツ100%で作った薪を扱っています。人工乾燥を行い含水率10%程度まで乾燥させた薪を、すぐに用意できるため便利です。

カラマツは、煙がほとんど出ず、焚き付けが苦手な人でも容易に着火できるほか、同じ針葉樹のヒノキやスギに比べて燃焼時間が長いという特徴もあります。

用途に合わせて25cmと35cmの2種類から薪のサイズを選べるため、ぜひ検討してみてください。

薪の作り方やコツを参考に、適した薪を用意しよう

基本的な薪の作り方は、「原木を用意する」「玉切りをする」「薪割りをする」「薪を乾燥させる」といった手順を踏みます。薪の基本的な作り方やコツなどを知っておけば、キャンプでの焚き火や薪ストーブ・暖炉での使用時に、自分で作った薪を使用できるでしょう。

質の高い薪を簡単に手に入れるには、通販サイトでの購入が便利です。ここで紹介した内容を参考に、使用シーンに適した薪を準備しましょう。