森林と人・社会との新たな関係性を育む「フォレストリバイタライズ産業」のエコシステム構築をスタート
100個の新産業の共創を目指す「新産業アクセラレーター」を展開しているSUNDRED株式会社は2022年5月13日、新たな新産業共創の試みとして「フォレストリバイタライズ産業」の構築に向けたプロジェクトを開始したと発表しました。本プロジェクトでは、森に関わる多様な人々が繋がり合うことで、時間と空間を越えた新たな価値の循環・充実のエコシステム(生態系)を形成し、森と人とが共に繁栄する世界の共創を目指す考えです。
フォレストリバイタライズ産業とは
同社がフォレストリバイタライズ産業の構築を進める背景や、同産業の仕組みは以下の通りです。
多くの課題を抱える「森林」の価値が、見直されるように
日本は国土の約7割を森林が占める森林大国です。しかし、その貴重な資源である森林は十分に活用されておらず、森林と人との関わりには多くの課題を抱えているのが現状です。
森林には「木材」としての資源を産み出す機能だけでなく、「二酸化炭素の吸収」「生物多様性の保全」「水源の涵養」「土砂災害の防止」など、私たちの生命を支える重要な役割があります。気候変動をはじめとする環境問題が深刻化する今、森林保全の重要性はますます高まっていますが、林業は深刻な担い手不足に直面しており、森と共に暮らす里山文化は過去のものとなりつつあります。
その一方、「人間が先天的に持つ“自然とつながりたい”という本能的欲求を満たすことで、健康や幸せを得ることができる」という仮説に基づく空間デザインが都心のオフィス等に多く導入されるなど、森林と人との関係性は、Well-beingといった新たな視点からも見直されるようになってきました。また、ドローンでの精密計測や、デジタルツイン、ブロックチェーン等の最新テクノロジーや、新たな価値の可視化・評価のフレームワーク等、これまでの業界の区分を超えた新たな繋がりの構築による価値創造が、いよいよ現実的なレベルに近づいています。
森に関わる関係人口を創出し、エコシステムを共創
フォレストリバイタライズ産業は、「森に人が関わるほどに、生態系が回復し、人々の心も暮らしも豊かになる価値循環の仕組みづくり」をコンセプトとする、新たなエコシステムです。本取り組みでは、森林資源が持つ価値と、森林空間が持つ魅力を最大限に引き出すアイデア群を起点に、森に関わる人を増やし、エコシステム全体に健全な経済循環を生み出すことを目指しています。
フォレストリバイタライズ産業の段階は、SUNDREDが提唱している「新産業共創プロセス」における、フェーズ1からフェーズ2に差し掛かっているということです。
フォレストリバイタライズ産業