アップサイクルとは?意味や商品例、アイデアなどを紹介。 服やバッグなど

アップサイクルとは?意味や商品例、アイデアなどを紹介。 服やバッグなど

本来であれば捨てられるはずだったものを、価値の高いものへと生まれ変わらせる「アップサイクル」。近年、SDGsや企業のCSRといった観点から、注目されています。「アップサイクルは、リメイクやリサイクルとは何が違うか」「実際、どのような商品があるのか」など知りたい方もいるでしょう。今回は、アップサイクルの意味や商品例、簡単にアップサイクルできるアイデアなどを紹介します。

アップサイクルとは?

近年、注目されている「アップサイクル」ですが、具体的にどのようなことを指すのでしょうか。アップサイクルの意味や注目されている理由について、紹介します。

アップサイクルの意味

アップサイクルとは、本来であれば捨てられるはずだったものを、より価値の高いものへと生まれ変わらせること。英語では、「upcycle」と表記します。アップサイクルをする際には、もともとのアイテムに「デザイン性」や「機能性」が付与されるのが一般的です。アップサイクルの例としては、着古したデニムパンツを使ったバッグや、規格外野菜を使った菓子などが挙げられます。

アップサイクルをするメリットは、「資源の有効活用」です。アップサイクルすることにより、もとの製品を活かしたり、生まれ変わった製品の寿命を伸ばしたりすることができます。

注目されている理由

アップサイクルは、1994年10月11日に、ドイツの自動化技術企業「ピルツ(Pilz GmbH & Co.)」のレイナー・ピルツ氏が、ドイツメディアSalvo Newsに向けて語ったことが始まりだとされています。それから30年弱経った現在、アップサイクルは世界的に注目されています。アップサイクルが注目されている理由について、見ていきましょう。

SDGsを実現するため

アップサイクルは、「SDGs(持続可能な開発目標)」と関連の高い取り組みとされています。SDGsとは、2030年までに持続可能なよりよい世界を目指すことを目的に、2015年9月の国連サミットで採択された国際目標のこと。SDGsには「17」の目標がありますが、アップサイクルと関連性が高いのは「目標12:つくる責任つかう責任」です。この目標では、持続可能な消費生産形態を確保することを目的に、ゴミやフードロスの削減が求められています。アップサイクルは、ゴミやフードロスの削減に直結する取り組みであるため、アップサイクルが注目されているのです。

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資源のさらなる枯渇を防ぐため

SDGsができた理由の一つでもありますが、経済的に豊かな国が増えてくるにつれ、世界的に資源の枯渇が進んでいます。資源を計画的に使っていかないと、私たちの子や孫といった世代に資源を十分に残せないことは、想像に難くないでしょう。特に、エネルギーや食料の自給率が世界的に見ても低い日本では、資源の枯渇が差し迫った課題となっています。これらの理由から、資源のさらなる枯渇を防ぐための方法の一つとして、アップサイクルへの関心が高まっているのです。

企業のCSR活動の一環として

SDGsの認知度向上を受け、近年高まりを見せている「消費者のエコ意識」。企業には利益の追求だけでなく、環境や社会への配慮といった「CSR(企業の社会的責任)」も求められるようになってきました。そうした中、企業のCSR活動の一環として、アップサイクル製品の開発・販売をする企業が増えてきています。

例として、アメリカで始まった「アップサイクル認証」が挙げられます。「アップサイクル認証」とは、アメリカの「アップサイクル食品協会(UFA)」による、アップサイクル食品や材料の認証制度のこと。認証を受けた企業・ブランドは、ロゴ入りの認証マークを製品に付けることができます。企業のCSR活動のPRにもつながるため、アップサイクルへの関心がますます高まっているのです。

image by Jagoda Kondratiuk on unsplash

リメイクやリサイクルなど、類義語とは何が違う?

アップサイクルと混同されやすい言葉に、リメイクやリサイクルなどがあります。類義語との違いや関係性について、紹介します。

リメイクとの違い

リメイクとは、使わなくなったものを別のものに「作り直す」ことを意味します。もとの製品に手を加えることで、再び使えるものにする点はアップサイクルと同じです。しかし、リメイクの場合、ア「加工後の価値」は問わないため、作り直すことで価値が上がらない、もしくは下がってしまうこともあります。

例えば、「空き瓶」があったとしましょう。空き瓶にシールを貼っただけでは、製品の価値は上がらないため、あくまで「リメイク」です。一方、空き瓶をおしゃれな照明器具に生まれ変わらせた場合には、製品の価値が上がり、「アップサイクル」となります。

リサイクルとの違い

リサイクルとは、「再生利用」のこと。廃棄物を価値あるものに生まれ変わらせるという点はアップサイクルと類似していますが、リサイクルの場合には、不要になった製品を資源に変えてから、新たな製品を作ります

例えば、読まなくなった雑誌・新聞といった「古紙」があったとしましょう。古紙を資源に戻し、再生紙やトイレットペーパーなどを使った場合には、「リサイクル」です。一方、古紙をそのまま使い、色・柄を活かしたセンスのよいアクセサリーに生まれ変わらせた場合には、「アップサイクル」となります。

リユースとの違い

リユースとは、使わなくなったものをそのままの形で「再利用」すること。身近なところでは、「着なくなった服を、古着屋さんやフリマサイトに出す」「シャンプーを詰め替えて、同じ容器を何度も使う」といったことが、リユースに該当します。

もとの製品に手を加えない「リユース」と、もとの製品に手を加えて新たな価値を生み出す「アップサイクル」は、ベクトルの異なるものと言えるでしょう。

リデュースとの違い

リデュースとは、そもそもゴミが出ないように配慮し、ゴミを減らすこと。例として、「買い物の際に、マイバッグを持参する」「ペットボトル飲料を買う代わりに、水筒を持ち歩く」「衝動買いをしないようにする」などが挙げられます。

資源の保全という観点で考えると、アップサイクルやリサイクル、リユースよりも優先して実践すべきなのが、この「リデュース」です。ゴミを「減らす」リデュースと、「より価値あるものに生まれ変わらせる」アップサイクルも、ベクトルの異なるものと言えるでしょう。

ダウンサイクルとの違い

ダウンサイクルとは、もともと捨てるはずだったものを、価値を「下げて」生まれ変わらせること。価値を「上げて」生まれ変わらせる「アップサイクル」の対義語です。ダウンサイクルの場合、すぐに捨てられてしまう可能性が高いため、生まれ変わった製品の寿命は短いものが多いと言われています。

例えば、着なくなった1枚の「Tシャツ」があったとしましょう。これを掃除用のウエス(雑巾)にした場合には「ダウンサイクル」、デザイン性・機能性をプラスしてバッグにした場合には「アップサイクル」となります。

アップサイクルに取り組む企業

アップサイクルに取り組む企業の事例を紹介します。

アップサイクルに取り組む企業の例

企業名取り組みの概要
株式会社アーバンリサーチ素材分別が難しい廃棄繊維を色で分別し、バッグやスマホカバーなどにアップサイクルするブランド、「commpost(コンポスト)」を立ち上げ。
アサヒユウアス株式会社※アサヒグループ傘下の企業次世代に向けたサステナブルなライフスタイルを提案する新ブランド「UPCYCLE B」を立ち上げ。パンの耳をアップサイクルしたビールを販売。
ハウス食品グループ規格外のスパイスをアップサイクルしたサステナブルなクレヨン「彩るスパイス時間 CRAYONS」を販売。
首都高速道路株式会社首都高で案内用に使っていた横断幕をアップサイクルしたトートバッグ「HATARAKU TOTE」を販売。

(参考:株式会社アーバンリサーチ「commpost(コンポスト)」)
(参考:アサヒユウアス株式会社
(参考:ハウス食品グループ本社「スパイス活用クレヨン『彩るスパイス時間 CRAYONS』」)
(参考:首都高速道路株式会社「HATARAKU TOTE」)

この他にも、多くの企業がアップサイクルに取り組んでいます。気になっている企業がどのような取り組みをしているのかを調べると、アップサイクルをより身近に感じられるようになるかもしれませんね。

アップサイクルの商品例

実際に、どのようなアップサイクルの商品があるのでしょうか。アップサイクルの商品例を、カテゴリー別に紹介します。

関連記事:アップサイクルブランド15選。日本で購入できる服やバッグなどをご紹介
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「MALION vintage(マリオン ヴィンテージ)」は、メンズのネクタイやツイードジャケット、デッドストックのシーツなどをアップサイクルした婦人服を販売しています。カーディガンやジャケット、ドレス、パンツなど、ラインナップも豊富です。

(参考:MALION vintage

https://twitter.com/azunne/status/1504428827266584578

バッグ

「FREITAG(フライターグ)」は、トラックの幌をアップサイクルしたバッグや財布、ポーチなどを販売しています。商品は全て1点ものです。色や柄が豊富で、人気を博しています。

(参考:FREITAG

「Relier81(ルリエ エイトワン)」は、日本の伝統文化である着物や帯をアップサイクルした靴を販売しています。商品を通して、日本の伝統文化や職人の技術を身近に感じることができます。

(参考:Relier81

https://twitter.com/hobomokha/status/1413767446150877184

ジュエリー

クリエイティブユニットと障がいのある方たちからなるブランド「カエルデザイン」では、海洋プラスチックごみやフラワーロス(廃棄花)を使ったジュエリーを販売しています。ピアスやネックレス、ヘアゴム、ブレスレットなど、ラインナップも豊富です。

(参考:カエルデザイン

財布

株式会社モンドデザインが展開するアップサイクルブランド「PLASTICITY」では、廃棄されたビニール傘を使った財布を販売しています。ビニール傘を加工しているため、水に強く、丸洗いすることもできるそうです。

(参考:PLASTICITY)

美容製品

イギリスの美容製品ブランド「Up circle beauty(アップ サークル ビューティー)」では、コーヒーかすから抽出される成分を使った、アップサイクル美容製品を販売しています。アイクリームやボディスクラブなど、ラインナップも豊富です。

(参考:Up circle beauty

https://twitter.com/alicespake/status/1520719816847511558

家具

「瀬戸内造船家具」では、造船古材の足場板をアップサイクルした家具を販売しています。家具の脚パーツには、造船業とゆかりの深い「黒皮鉄」を使用。ダイニングテーブルや収納棚など、ラインナップも豊富です。

(参考:瀬戸内造船家具

食品

Oisixから生まれたフードロス解決型の食ブランド「Upcycle by Oisix(アップサイクル バイ オイシックス)」では、見栄えや食感の悪さなどから捨てられていた食材をアップサイクルした食品を販売しています。ブロッコリーの茎を使ったチップスや、バナナの皮を使ったジャム、梅酒から生まれたドライフルーツなどの商品があります。

(参考:Upcycle by Oisix

建設

長野県で商業建築や店舗の改装・内装工事などを展開している「株式会社山翠舎」では、古民家の古木や軸組などをアップサイクルするプロジェクト「#Re古民家™」を展開しています。古民家で使われていたものを、新しい建築材料や技術と組み合わせることで、風雨や気温変化に耐える快適さを実現しているそうです。

(参考:株式会社山翠舎「#Re古民家™」)

建設資材

大手ゼネコンの「大林組」は、災害廃棄物の中でリサイクルできない混合廃棄物(がれき残渣)を使った「アップサイクルブロック®」を生産しています。防潮堤や防潮林などの盛土材料として利用することにより、がれき残渣の最終処分量の減少や、被災地の早期復興につながるそうです。

(参考:大林組「アップサイクルブロック®」)

簡単にアップサイクルできるアイデア

アップサイクルは、私たちでも簡単に行うことができます。簡単にアップサイクルできるアイデアを見ていきましょう。

靴の空き箱を財布に

アウトドアブランド「THE NORTH FACE」が紹介している動画と説明書を参考にすれば、靴の空き箱のダンボールを、財布にアップサイクルすることができます。作業手順は「切る」「折る」「貼る」など、とても簡単です。家にある靴の空き箱を使って、自分好みの財布を作ってみてもよいでしょう。

(参考:THE NORTH FACE「How To Make A Wallet」)

着なくなった服をバッグやポーチに

着なくなった服がある場合におすすめしたいのが、「バッグ」や「ポーチ」といったアイテムへのアップサイクルです。もとの服の「柄」や「風合い」を活かすことで、「世界に一つだけ」の価値あるアイテムに生まれ変わらせることができます。

飲み終わったペットボトルを鉢に

ガーデニングや家庭菜園などが趣味の方におすすめしたいのが、飲み終わったペットボトルの「鉢」へのアップサイクルです。ペットボトルを適当な高さにカットし、中に土を入れれば、簡単にアップサイクルできます。

コーヒーかすを消臭剤に

コーヒーを淹れたときに残るコーヒーかすは、「消臭剤」にアップサイクルできます。カビが生えないよう、天日干しでしっかり乾燥させたら、コーヒーフィルターや綿の袋に入れて、消臭剤として使いましょう。使わなくなったら、家庭菜園の肥料としてリユースすることも可能です。

空き瓶で作った鉢
image by Jarritos Mexican Soda

アップサイクルの商品を取り入れよう

アップサイクルは、「SDG」や「企業のCSR」といった観点から注目されています。アップサイクルの商品は、服やバッグ、食品、家具など多種多様です。自分好みのアイテムを探したり、身近なものを自分でアップサイクルしたりして、日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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